【ウサビッチ】親の罪をかぶった少女 part２ (ページ23)

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駭然注意ページ23

どうやら彼は何も聞かされていなかったらしく、なぜか少し赤くなりながらコプチェフに突っかかった。

「そ、そそそそんなことできるわけないじゃないっすかっ！Aと、ふ、二人で…」

カンシュコフがそこまで言うと、部屋にゴスッという鈍い音が響いた。

どうやらその音はコプチェフがカンシュコフを殴った音のようで、カンシュコフは涙目になって頭を押さえながら床に蹲っている。

「いっっ……！」

「カ、カンシュコフさん大丈夫ですか？」

「ったく…、変なこと妄想しないでよねー」

チッと舌打ちをしたコプチェフはどこか苛立っているようで、Aはおずおずと口を開いた。

「…あ、の…コプチェフさん…？」

「ん？ああ、ごめんね！違うんだよー、俺が切れてんのはそこでうずくまってるバカにだけで…Aちゃんにはなーんにも怒ってないからねー」

「は、はぁ…」

よくわからないままAがうなずくと、今まで蹲っていたカンシュコフがガバッと立ち上がってコプチェフを見た。

「なんで殴るんすかっ！てかちゃんと説明してくださいよ！」

コプチェフは「なんで俺とAが！」と喚いているカンシュコフをめんどくさそうに見て、ため息を着き口を開く。

「俺たちの家に泥棒が入ったでしょ？実は俺たちの住んでるところってあんまり治安がよくないんだ。

それで…もう俺たちの家にそんな奴が入ってこないともかぎらないし、Aちゃんの身の安全を考えてここに住んだ方がいいんじゃないかなってなったんだよ。

…しかも、君達知り合いだって言うじゃないか。知らない奴のとこより、Aちゃんも安心できるんじゃないかと思って…」

そこまでコプチェフは話してから、足を組んではぁ、とため息を漏らした。

「これでもう納得した？」

「は…はぁ、まあこの辺だったら日中変な輩が勝手に家に入ってくることはないかもしれないですけど…」

歯切れ悪くカンシュコフはそう答えてチラリとAを見た。

おそらく彼は自分が何か間違いを起こさないか心配なのであろう。何せ、意中の相手が自分と同じ空間にずっといるのだ。

いきなり襲ったりなど馬鹿な真似はしないだろうが、酔った勢いなんかでつい…なんてことがないとは言い切れない。

そんな彼の心中を察して、コプチェフははぁ、と二回目のため息をついた。

「そんなに心配しないでもいいよ。なにもこの家に君達だけにするとは言ってないし」

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