【ウサビッチ】親の罪をかぶった少女 part２ (ページ3)

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続ページ3

Aが困惑してそういうと、コプチェフはきょとんとした。

「うん、そうだよ」

「なんで…」

「なんでって…、ボリスに聞いてよ。

君をあそこから助け出すって言い出したのはボリスなんだから」

俺は手伝っただけー、なんて答えたコプチェフを信じられない、といった顔で見てからAはボリスを見た。

「…どうして」

「…お前にとっちゃ、迷惑なのかもしれない。…でも、

無実のお前を、死なすわけにはいかない」

ずくん、

Aの心の奥の方で何かがうずく。

「…でも、貴方は一度わたしの罪を認めて監獄へ送ったじゃないですか。…っ何を今さら」

「あの時は、お前が…っ！」

Aの言葉を聞いたボリスは声を荒げた。
それから少し考える様に目を泳がせてフッと目を伏せる。

「…お、お前が、」

「？」

「な…、泣きそうな顔してた…か、ら…？」

疑問形で発せられた言葉に、今まで張りつめていた空気が一瞬で何処かへ行ってしまった気がした。

何故疑問形なんだ。

Aが眉を寄せてボリスを見ていると、コプチェフがうずくまって震えだした。

「ふっ…！ふふっ、…っくっ…！」

「なっ！コプっ」

「あははははははははっ！、…だっだって…前あんなにAちゃんについて語ってたのにっ……くくっ！」

「かっ！語ってなんかねーよ！！」

「あの…？」

「あっ！おい、勘違いすんな。別にお前の事なんかひとっことも話してねーかんな！！」

「は…はぁ…」

あまりのボリスの必死さに少しびっくりしながらAはこくんと頷く。
そしてギャーギャーいいながら口論しているボリス達を見てAはふぅ、とため息をついた。

「(何だかあんなに警戒してた自分がばかみたい…)」

コプチェフさんはともかく、ボリスさんは信用して大丈夫な気がする。
…私が犯人じゃないとか言ってるとこはすごく不安だけど、それ以外なら信用できる人だ。多分。

「……あのボリスさん、コプチェフさん…」

聞こえないかな、なんて思いながら発した言葉はちゃんと二人に届いたらしく、二人は口論をやめてこちらを向く。

「あの、これから…お世話に、なります…」

そういうとボリスさんは目を丸くして固まってしまった。
…なんだろう、言うタイミングが悪かったかな。いやでも早めに言った方がいいだろうし。

なんてぐちゃぐちゃ考えていたらボリスさんはニッと笑った。

「ああ」

爽やかに笑ったボリスさんはやっぱりいい人だ。