【ウサビッチ】親の罪をかぶった少女 part２ (ページ14)

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呪縛注意ページ14

「じゃあな、行ってくる」

「はい、いってらっしゃい」

次の日の朝になり、民警の制服に着替えた二人は玄関に立っていた。Aはその見送りだ。
二人の今日の仕事は特になく。何もなければ今日の夜に帰ってこられるが、２人はAの事が心配の様でずっと玄関でそわそわしている。

「なぁコンロは触るんじゃねーぞ？」

「外へはいっちゃダメだよ？」

「家にあるもん何でも勝手に使っていいからな？」

「ご飯はカウンターにあるからチンしてね？」

「…はい、分かりました」

過保護な親ってこんな感じだろうか…、Aがそう考えていたら九時を知らせる時計のチャイムがなった。

「やべ…もう行かねーと…」

「じゃあ、Aちゃん！何か困ったことがあったら絶対電話してね！」

「はい」

そう言うと二人はバタバタと出て行った…と思ったが、扉が閉まった瞬間また扉が開き二人が顔を覗かせた。

「「いってきます！」」

「いってらっしゃい」

そういうと今度こそ二人は家を出て行った。

「…」

家に一人きりになったAはぼーっと扉を眺めた。

『A！』

「っ！！？」

瞬間、いきなり扉が開いて母親が顔を覗かせた。Aは驚いてしりもちをつき、そしてもう一度扉を見るとそこには誰もいなかった。

「げん…か…く…？」

ほっとしたと同時にAは自分に違和感を感じた。

私、今なんでほっとしたの？

お母さんが来てくれて嬉しいはずなのに、お母さんに会えて嬉しいはずなのに。

私はお母さんが大好きなはずなのに。

お母さんがいたら私は幸せなはずなのに。

「っ！…い、た……」

ずくん、と頭が痛みだしてAは蹲った。
どんどんと痛みの波が押し寄せて来て、Aはそれに耐えきれず床に倒れる。

そんな中Aの瞼の裏に優しい笑顔の母親が一瞬映り、そしてそれが消えると同時にAは意識を手放した。

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