【ウサビッチ】親の罪をかぶった少女 part２ (ページ12)

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無自覚注意ページ12

「Aちゃん。それ何の本？」

なんだろう。
さっきからコプチェフさんが…。

「あ！隣、座っていい？」

やたら話しかけて来る…！

「はい、どうぞ」

少し横に寄るとコプチェフさんは私のすぐ横に座ってきた。…どうしてだろう。これじゃあ私が横に寄った意味がないし、ちょっと狭い。

「…すみません。少し…離れてください」

「んー？」

嫌がる私をよそに、コプチェフさんは私の頭に顎を乗せてくる。重たい。

「ち、ちょっと…っやめてくださ…」

「ねぇー、なに読んでるのー？」

そう言ってコプチェフさんは私が読んでいた本をパッと取ってしまった。ボリスさんから借りた大事な本なのに…！

「…え？銃の基礎知識…銃の見方から歴史、構造、弾道学…って何これ？！こんなの読んでて面白いの？」

「かっ…返してください…！」

「ははーん、ボリスだな？まぁ俺じゃないからボリス以外ありえないんだけど…」

その本をパラパラとめくってコプチェフは眉を下げて笑った。

「ボリスは女の子の気持ちわかってないなぁ、こんな本じゃAちゃんは喜ばないでしょー…」

「……そんなこと、ないです」

「私は、…ボリスさんが本を貸してくれた事自体が嬉しいです」

コプチェフはAの目を見て一瞬固まったが、すぐニコッと笑ってその本をAに返した。

「やだなぁ、そんなに怒らないでよ。俺だってボリスに本気で呆れたわけじゃないんだよ？」

「…」

やっぱりこの人は苦手だ。なんだろう、ボリスさんと話してる時はそうでもないんだけど、私と話してると…何か企んでるみたいな顔をする。

それに、目の奥が笑っていない。表面はとても柔らかくて暖かいのに、奥は硬くて冷たくて…誰も近寄らせないようにしてるみたい。それに…、

「？Aちゃん、どうしたの」

「あっ…いえ、何も…」

「そう？…しっかし、ボリスには妬けちゃうね」

「は…？」

言われた意味が良く理解できなくてつい間抜けな声を出してしまった。

「あの…」

「ねぇ何でAちゃん俺には懐いてくれないの？」

「え？」

そもそもボリスさんに懐いてるつもりなんかない。まぁ最近はどちらかと言えば好きという枠に入るのかもしれないけど。

「ねぇ、俺の方が絶対ボリスよりいいと思うんだけどなぁ…」

「ひっ！」

身の危険を感じた私は急いで立ちあがってボリスさんのいる部屋へ直行した。…ああ、もしかしたら私はボリスさんに懐いているのかもしれない。