【ウサビッチ】親の罪をかぶった少女 part２ (ページ2)

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説明注意ページ2

それから何時間か放置され、ドアの前にずっと立っているのもなんだと思ったAはベッドに入って再び眠りにつこうとしていた。

しかしいきなり開けられた扉にそれは阻止される。ベッドから出て扉を見ると、私服に着替えたボリスとコプチェフが入ってきた。

「あれ、もしかして寝るところだった？」

「いえ…」

コプチェフ…だっけ、この人はなんとなく苦手だ。
髪と同じ色の瞳を細くして微笑むけど、その奥は全然笑ってないもの。

…あれ、なんか。見たことある…。

薄い…紫…、…。

「あっ！」

いきなりAが大きな声を出したものだから、ボリスもコプチェフもAへ顔を向ける。

コプチェフを指さしてわなわな震えるAを見て、コプチェフは「あー…」と声を漏らした。
どうやらAの言いたいことや思っていることを察したようで、へらっと笑ってドアの近くにあった椅子に腰かける。

「ごめんね、あんな手荒なことをするつもりじゃなかったんだけどさ…」

「やっぱり、あなたなんですね。どうしてこんなことを…」

「まぁまぁ、今からそれを話すよ」

指を組んでコプチェフはAと目線を合わせる。

「さっき話したけど、Aちゃんにはここで暮らしてもらう」

「なん「質問は俺が話した後にしてね」っ…」

「本当はこんなことするつもりじゃなかったんだけど…、ちょっと事情が変わってね。
別に上司に言われたわけじゃないし、こうする義務もない。

ちょっとした俺らの…、親切心ってやつかな。まぁ、とりあえず君を監獄に返すつもりはない」

そこまで言うとコプチェフは足を組んだ。

「それと、まだ外に出すわけにもいかない。家の中で過ごしてね…、まぁ言いたいことはこれでほぼ全部かな」

「…どうして、私はここで暮らさなきゃいけないんですか」

「君のルームメイトが脱走したのは知ってるよね。…いま、君があそこに戻るのはまずいんだ」

「なぜ？」

「これは『偶然』聞いたんだけどね、どうやら君も脱走を手伝ったんじゃないかって上のほうの連中が騒いでて、君の罪が重くなったらしいんだ」

「ﾀﾋ刑だとよ」

今まで黙っていたボリスが煙草をふかしながら口を開く。
ﾀﾋ刑、その言葉にAは少し肩をこわばらせてボリスを見つめる。

「…普通はﾀﾋ刑になってもすぐには執行されない。でもあそこのﾀﾋ刑執行委員は短気でな、だから急ぐ必要があった」

「…まって。それじゃあまるで私のこと助けたみたいじゃない」