愛して、俺らは消え去ろう。3【川村壱馬】 (ページ10)

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家事代行ページ10

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壱「もうこんな時間だぜ。学校あるんでしょ？」

『あ、本当だ。』

壱「帰った方が良いんじゃないの。」

『そうですね…』

壱「そんな暗い顔すんなって。」

どうしても、さっきのお話がショッキングで中々頭から抜けない。

不謹慎かもしれないけど、本当にドラマみたいなことって起こるんだ。って、驚きを隠せない。
私だったら生きる意味を無くす程、立ち直れなくなるだろうな…

そう思うと、壱馬さんって凄いなぁ。

『…凄いなぁ。』

壱「は？」

『いや、壱馬さんって凄い人なんだなぁと…』

壱「一生そう思っとけ。ほら、早く帰れ。お前のせいで酔いが覚めたわ。」

『え！なんで、私のせいなんですか～。』

壱「さぁね。」

『もう良いです～帰ります～。』

壱「へいへい、さようなら。」

『じゃ、じゃあ。』

ソファから立ち上がり荷物を持って
玄関に向かった。

『あ、明日はちゃんと帰ります！』

リビングから壱馬さんのはーいという小さな声が聞こえて、私は隣の家に戻った。

たしか、明日はオフとか言ってたなぁ。

そのまま、お風呂に直行して出て、洗濯物を畳んでいたら思い出した。

そういえば、ソファに壱馬さんの下着置きっぱだ。

ま、いいか。壱馬さんなら察してくれるよ。
時計の針は2時を過ぎたところで、髪の毛を乾かして寝た。

『ただいま、帰ってきました～…』

……。

ちゃんと、寄り道せずに今日は帰ってきたけど…
壱馬さんはいないみたい。

お出かけしてるのかな。

皿洗いはしてあって洗濯物はない…

いつからか、壱馬さんの家を自分の家だと思い込むようになって、色んなことを気にしちゃう。

洗ってないお皿があったら洗うし

ホコリが目立ってたら掃除機かけちゃうし

たまに、お風呂掃除なんかもしちゃうし

本当に、家事代行サービスみたい。
今度から、給料請求しようかな…

そしたら、きっと無理とか言うんだろうな。

壱｢うわ。｣

『えぇ！』

壱｢なにニヤニヤしてんの。｣

『壱馬さんこそ、なんなんですか、その格好。』

壱｢風呂入ってただけなんだけど…｣

『そんなん聞いてないよ…』

壱｢俺も言ってへんわ。｣

急に現れた壱馬さんは上裸で腰にバスタオルを巻いただけだった。

『うわ、ちょちょちょちょ。近づかないでください。』

壱｢なんでや、そこに置いてある水ぐらい飲ませろや。｣

ソファの前のローテーブルに置いてある水を取ろうとする壱馬さん。

『うわわわ。』

壱｢って、お前危ない！｣

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