【文スト】方向音痴のマフィアさんは中原幹部にときめいている (ページ14)

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侵入と再会② ページ14

中原先輩が探偵社員２人と接触してから１分ほど。

……もう戦闘になっている。

爆音に次ぐ爆音のせいで話し声が殆ど聞こえない。
私としてはもう少し穏やかに済ませてもらえると嬉しいが、まあ先輩が楽しんでいるから良しとする。

『おい、A。ちと厄介な事になってやがる』

「どうしました？」

『この会話、聞かれてるぞ』

聞かれている？
まさか通信が傍受されているのか？

『奴らの口ぶりからして――多分、異能力者だ』

「……わかりました。誰が聞いているのか"見"てきます」

『ああ』

一度異能を解除し、深呼吸する。

嗚呼……。

普通にムカつく！！！

誰だ私と先輩の秘密の会話(語弊)を盗み聞きしていやがるのは！！
単純に不愉快！

再び意識を集中させ、"視界"を先程よりも更に進める。

どこだ……どこにいる……？

辿り着いたのは、講堂のような場所。
ここが奴らの隠れ家か。

見ると、探偵社の面々が１台の機械に視線を集中させている。
そこには監視カメラの映像が映し出されており、まだ先輩達は戦っているようだった。

ふむ、全員がここにいるわけではなさそうだな。

「！！」

誰がいて誰がいないのか。
確認しようとした時、見たことのある顔に気付いた。

「あれは、あの子は……喫茶店の……！」

そう、それは先日訪れた喫茶店で出会った少女だった。
まさか探偵社の人間だったとは。

音は聞こえないが、直感的に分かった。
私達の会話を"聞"いていたのは彼女だ、と。