悪磨くん~Fuma.K~

42：好きの二文字 ページ42

A「っ…」






ゆっくりと唇が離れる。







風磨「顔赤いけど…？
俺の事もう好きじゃないんだろ？」







意地の悪い笑顔を浮かべる風磨くん。
ほんとにタチが悪い。








A「本当むかつく…っ。
どこまで私の事振り回せば気が済むの」







風磨「お前が俺の事を好きだって
言うまで気が済まない。」







A「…言わない。
だって私、健人と付き合うからっ」








風磨「まだそんなバカなこと言ってんの」









A「…真剣だよっ。
幼馴染にベッタリな風磨くんと
違って健人は優しいし…」








風磨「だけど俺の事が好き。違う？」







図星で何も言えなかった。








A「…」








風磨「それにもう加恋とは会わない」








A「…」









風磨「俺にとって大切なのが
誰なのか分かったから。」









真剣な顔でまっすぐ私を見つめる。
風磨くんは本当にずるい。







風磨くんにまっすぐ見つめられて
顔が熱くなるのが分かった私は
咄嗟に下を向いた。







A「…」








風磨「…言えよ、俺が好きだって。」






そう言って優しく私の髪を耳にかけて
俯く顔を覗き込む。






全体的に熱い。
心臓はドキドキと破裂しそうなほど
早く鼓動を刻んでいた。






A「わ、私は健ｔ「まだ言うつもり？」」






風磨「健人健人って、お前は
俺以外好きになれねぇんだよ」







何なの、自信あり気に…。
図星だから、なおさらむかつく。
結局全部風磨くんの思い通りじゃん。







A「そうだよっ、
私は風磨くんしか好きになれｎ…」







風磨くんは好きという言葉を
聞くと私を抱きしめた。






風磨「やっと言ったか…
意地張りすぎなんだよ…」






風磨くんは安心したようにそう言った。







風磨「もう俺以外の男好きなんて言うな」






私は静かに頷いた。
風磨くんの制服からはいい匂いがした。

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