悪磨くん~Fuma.K~

28：終わらない ページ28

花香「よく続いた方だよ、あの王子と」




香里「そうそう。
一度別れたこともあるけどね。」






教室に帰って来た赤い目の私を
二人して慰める。






花香「早く忘れな？」





香里「うちの友達にAのこと
紹介してほしいって奴いるけど？」





A「…忘れないよ。」





花香「え？」





A「別れたけど風磨くんのことは
ずっと好きでいる。片思いは自由でしょ？」






へらっと笑う私を抱きしめる花香と香里。






香里「あんたっていい子だね！」




花香「私も付き合うならこんな子がいいわ！」






その日、私と風磨くんは別れた。
その噂は学校にすぐに広まった。
そして、また私の片思いが始まった。







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先生「伊吹A〜。
職員室までプリント取りに来てくれ〜」





A「えぇ！」





先生「日直だろ〜」





A「…はぁ」





花香「ついていこうか？」





A「プリントだし大丈夫！
いってくるね」





花香「いってらっしゃい」







休み時間でざわつく廊下。
あれから全然風磨くん見かけないな。
学校にちゃんと来てるのかな。







廊下を歩きながら風磨くんの教室を横目で覗く。
いなさそう…？
学校来てないのかな。






ﾄﾞｻｯ






ﾊﾞﾗﾊﾞﾗﾊﾞﾗ







A「っ！す、すいません！」






足元に何冊ものノートが落ちる。
目の前の人を見ると見たことのない感じの人。






『あ、大丈夫だよ』







A「前見てなくて…」






そう言いながら落ちたノートを
必死に拾った。







A「こんなにたくさん…。
一人じゃ大変でしょ？手伝うよ。」






『いや、大丈夫…』






A「いいからいいから。
クラスは何組？」






『Ｆ組…』






A「おっけー！はい！半分！」







そう言って多いノートの半分をその人に
渡して、わたしももう半分を持った。







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『なんか、ありがとう…』





A「いいよいいよ。」






教室に届けて深々とお礼される。
前髪が長くて顔がよく見えないなぁ。







先生「伊吹！はやく職員室！」





A「忘れてた…、じゃあ私行くね」





『あ…うん』





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『伊吹さん…か。』

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