悪磨くん~Fuma.K~

27：使命 ページ27

風磨「俺たち別れよう」





A「…どういう意味？」





風磨「そのままの意味だ」





A「この前の事怒ってるの？」





風磨「いや、もう怒ってねーよ」





A「怒ってるんでしょ？
ごめん、大切な幼馴染なのに悪く言って
本当にごめんね。」






風磨「だから怒ってないって」






A「じゃあなんで！」






目から涙がこぼれる。






風磨「…泣くなよ。」





だめだ、風磨くん困ってる。






A「…」






腕で目をこすった。






風磨「加恋のそばに居てやりたいから
Aとはもう付き合えない」





A「…」







やっぱり幼馴染には敵わないか。







A「そっか…そうだよね。」






風磨「…」






A「短い間だったけど…ありがとう」






風磨「騙されやすいんだから変な男に
ひっかかんなよ。」







A「…うん」








声が震えていた。
泣いちゃだめだ。







風磨「じゃ。」






風磨くんは最後にクシャっと私の頭を
撫でて屋上を出て行った。








その瞬間、涙が溢れだしその場に
しゃがみ込んだ。








・



・



・




【風磨side】





風磨「じゃ。」






このままここに居ればきっと
考えが変わってしまう。






足早に屋上を出た。扉の向こう側から
Aの泣き声が聞こえる。







風磨「………」







引き返そうと屋上のドアノブに
手をかける。







風磨「…」







『ひとりにしないで…』






呪いのように加恋の声が
聞こえた気がした。









風磨「…くっそ。」







ドアノブから手を離して
自分の教室に戻った。

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