悪磨くん~Fuma.K~

21：両想い ページ21

風磨「…ったく、何してんだよ」





ppp…





＜加恋ちゃんが倒れた＞：A







風磨「っ……」






急に頭が真っ白になって無我夢中で走った。







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待合室で待たされて30分ほどして
先生がもう大丈夫だと言いに来た。






病室には酸素マスクをつけて
眠っている加恋ちゃん。






A「…」






なぜか病室には入れなかった。
恐怖がまだ抜けきれなくて、手の
震えは収まらなかった。








風磨くん…早く来て。






一刻も早くこの不安から逃げ出したかった。







「蒔田加恋は！？」






受付に汗だくの風磨くんが居るのに気付いた。
風磨くんは病室を聞くとこっちに向かってくる。






A「風磨ｋ・・・」






風磨くんは目の前に居る私に目もくれず
足早に病室に入っていった。








『私には風磨しかいないの。
風磨にも私しかいない。』








加恋ちゃんの言葉が頭をよぎる。







酸素マスクをつけて眠っている
加恋ちゃんを心配そうに見つめて
手を握っている風磨くん。







今の彼に私は見えていない。









A「…」







眠る加恋ちゃんを見つめる風磨くんの目は
ただの幼馴染に向ける目ではなかった。








その時初めて気づいた。








二人は両想いだ。

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