悪磨くん~Fuma.K~

02：一か月後 ページ2

出会いと別れの季節、春。
私に王子様みたいな初めての彼氏ができました。



・


・


・




のはずだった。





香里「今日で菊池と１か月記念日じゃん」




花香「ほんとだ！おめでと〜A」




A「あ、ありがと〜」




香里「まさかAが王子と付き合うなんてね〜」




花香「あ！噂をすれば…、王子のお迎えだよ〜」




花香の言葉で教室の入り口を見ると笑顔で
立ってる風磨くん。





A「じゃあ、また明日ね〜」




香里「またね〜」




花香「このリア充め！」




風磨「帰ろうか」




A「うん」





「あっ、菊池くんだ！かっこいい…」



「彼女さん、いいなぁ。羨ましい」






かっこいい？
羨ましい？






みんな、まんまと天使の顔に騙されてる。
彼の本当の顔は…………。





風磨「遅ぇんだよ。ＨＲ終わったら
すぐに教室出て来いっていつも言ってんだろ？」




人通りの少ない廊下で頬をつねられる。




A「いひゃい…。」







そう、この人は天使のような王子様ではなく
悪魔のような人だったんです。





「ヒューヒュー。伊吹もやるな〜」




校舎の二階から男子が茶化すようにこっちを
見下ろしながら言う。





A「…あははは」




風磨「ヘラヘラすんな、みっともない」



A「…(-_-メ)」







この学校には、私以外彼の本性を
知っている人はいない。



こんな人を好きだったなんて
一か月前の私は一体彼の何を
見てきたんだろう。







時間よ、戻れ。







風磨「早く歩け、置いてくぞ。」





A「…」






そんなこと願ったところで
時間が戻るはずもなく…。





私は今日も悪魔に絶賛いじめられ中です。

03：破局？→←01：告白

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す