こっち見てよ (ページ8)

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side You

聡「日曜日どこか行こうよ」

『……』

当たり前のように隣を歩き
一緒に帰る松島

聡「あ、二人きりが嫌だったら
Aの友達呼んでもいいよ！」

いつの間にか名前呼び。

『来週からテスト期間だけど』

聡「わ、忘れてた」

『勉強しなきゃだから』

聡「じゃあ図書館行こっか」

どうしても日曜日に会おうとする松島の方を見ると
彼は笑顔で首を傾げた

聡「勉強しないとでしょ？」

『…』

聡「俺が教えてあげるよ」

『教えられるの？』

聡「こう見えて俺、
塾通ってるから勉強はできる方だよ！」

『ふーん。』

聡「その塾の講師が大学生なんだけど
めっちゃ頭良くて、何でもできるんだよね」

楽しそうに隣でペラペラと話す松島

聡「ほんとになんでもできるんだよ。
スポーツも、ダーツも、ボーリングとかも！」

『その人のこと好きなんだね』

聡「えぇ！？
いやいや憧れてはいるけど、男だし！」

彼は必死に両手を振って否定した

聡「だいたい俺の好きな人は…！」

『…』

聡「…」

松島がしまったと言わんばかりに
右手で自分の口を塞いだ

『ここでいいから』

家のすぐそばの十字路でそう言うと
彼は何度か頷いた

『日曜日どうする？』

聡「えっ、あ、10時半に図書館で！」

『わかった』

聡「また日曜日！」

『ん』

〝Aの彼氏って、なんでもできるんだよ″

『……』

何でも出来るのがいいことじゃない。
松島はそれが分かってないみたいだ。