こっち見てよ (ページ15)

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side You

授業が終わり下駄箱を出ると
外は大雨だった。

『…傘わすれた』

天気予報を見るのを忘れた私が
傘を持っているはずもなく走って帰ろうとした瞬間、
誰かが傘を広げて私に差し出した

聡「一緒に帰ろ」

『……』

いつも隣で優しく笑う彼に
私はいつしか甘えてばかりだった

聡「ほら、行くよ」

『うん』

最近ずっと一緒にいる私たちを
からかう人も多くなった

「松島ぁ、大好きな白瀬と相合傘かよ」

「お前ら、もう付き合っちゃえばー」

聡のクラスの男子が後ろから
私たちに大声で言って来た

聡「うるさいなぁ、ほっとけよ」

「白瀬～思わせぶりは可哀想だからやめてやれよ～」

『……』

聡「気にしなくていいから」

隣にいる聡は少し不機嫌そうに言った。
そのまま私たちは二人、雨の中静かに帰った。

聡「明日も雨らしいから傘忘れないようにね」

私のマンションの前まで来ると
聡は立ち止まって言った

『わかった、ありがとう』

聡「いいよ、じゃあまた明日」

そのまま帰ろうとする聡の後ろ姿が
ふと、行ってしまうあの人と重なり無意識に
彼の制服の裾を掴んで引き止めた

聡「ん？」

『あ…、えっと』

聡「どうしたの？」

優しく笑って聞いてくる聡

『あの人たちが言ってたこと
気にしなくていいって言ってたけど、』

聡「あぁ、うん」

『それって私のこと別に好きじゃないって事？』

聡「えぇ？なんでそうなんの！？
そんなわけないじゃん！」

驚いた聡はそのまま続けて口を開いた

聡「大好きだよ！」

『…』

予想外の言葉に固まっていると、
我に返った聡が顔を真っ赤して
傘を持っていない方の手で顔を隠した

聡「うわーごめん！俺なに言ってんだぁぁ」

『付き合う？』

聡「うん………え！？！？」

『付き合おっか』

突然すぎる私の言葉に
聡は混乱しているようだった