こっち見てよ (ページ11)

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side You

聡「Aクマとウサギどっちが好き？」

『クマ』

聡「よし、じゃあクマとってあげるから」

射的の銃を両手に
真剣に的を狙う松島

何度か撃つが
弾はいつもお門違いな所へ飛んだ

聡「なんでー」

「次でラスト一発だよ、よく狙って」

おじさんが松島にそう言った

聡「絶対当てる」

そう言って撃ったラストの弾も
やっぱりハズレだった。

「残念！これ景品のティッシュね！」

聡「…はぁ、」

『おじさん、私もやっていいですか』

「おっ、いいよ！200円ね！」

財布から200円を出しておじさんに渡すと
さっきまで松島が持っていた銃を渡された

聡「結構難しいよ？」

〝こういうのは真ん中じゃなくて少し下を狙うんだよ″

〝やってみ？″

ふとよぎる、彼との思い出。

『……』

一発目、狙った的はいとも簡単に倒れた

聡「うっそ！」

「おお！難しいのにお姉ちゃんやるなぁ！」

『松島は、どれ欲しい？」

聡「え、あ、じゃあ7番のカエル…」

『わかった』

残りの弾で松島の言った7番も倒した。

〝な？できただろ？″

案外、あの人との思い出たくさんあったんだな。

『はい。』

聡「あ、ありがとう…」

変なカエルのキーホルダーを
受け取って拍子抜けな松島

『何？』

聡「射的うまいんだね」

『コツがあるんだよ』

聡「そ、そうなんだ」

『なんか元気ない？」

聡「だって俺がとってあげようと思ったのに」

あ、しょんぼりした子犬だ。

『ふはっ』

聡「何が面白いんだよ」

『いや、なんでもない』

聡「ださいとか思ってるんだろー！」

『思ってないよ、ただ楽しくて』

ケラケラと笑う私を見て
松島も、つられて笑った

聡「なら、いっか！」