ガールと詐欺師の攻防戦�� ページ21
今日はバドミントン部が体育館を使うから筋トレで部活は終わり。
「霊幻さんこんちゃです」
『おうA、丁度よかった。依頼人があと五分くらいで来るんだよ』
『あの…ここが霊とか相談所ですか？』
『ｱﾚ、ﾊﾔｲﾅ…。いかにも！私が所長の霊幻新隆です』
ささ、どうぞ座ってください、と霊幻さんは依頼人の女性に席を勧めた。
女性は高宮美桜さんといった。
『どのようなご依頼で？』
『はい…私の父が先月他界して、その後から、仏壇に飾ってある写真が勝手に動いたり、家具が浮いたり、壁に手形みたいな影ができたり…とにかく、家がお化け屋敷状態なんです』
『もしかしてお父様の霊が…？』
『はい、間違いありません』
「何でそう言い切れるんですか？』
気になったので聞いてみた。
『…私、実はこれでも35歳なんです。彼氏とは別れて、仕事に忙しいし、父の介護もしてて、素敵な人と出会う機会がなかったんです』
『それはお気の毒に…』
『だから父は、私に幸せになってもらいたいんだと思います。どこからか結婚相談所のチラシを何枚も飛ばされたこともありますし』
もはや嫌がらせの領域では、と私は冷や汗をかいた。
『それで、依頼は…そのお父様の霊を成仏させるような除霊…ですか？』
『いいえ、父は私が幸せな姿を見せない限り、多分この世に居続けると思うんです』
『……つまり……』
何かを察した霊幻さんは突然手帳をとりだし、カレンダーを確認した。
そしてチラッと私に視線を送った。
話の流れからして、私もこの女性が何を言いたいか検討がつき、
「この三連休は土曜日の午前中と、月曜日の午前中に部活がありますよ」
と伝えた。
『…土曜日は休めないのか？』
「試合が近いので休みたくないです。終わった後、電車で追いつきます…というかモブ君連れていったらいいのでは…」
『あいつが演技できるように見えるか？』
「……いえ…」
パチッと二人の間に火花が散った。
『…土曜の午前中は部活に行け。後から一人で来い、A。なるべく月曜も間に合わせるようにしようぜ』
「仕方ないですね。合点承知です」
『お二人とも…私が何を言いたいか何故分かったんですか？』
『まぁ、長年この仕事してますから。それにこいつ、Aはウチの優秀な人材なんでね』
『でも、霊幻さんだけでもよろしいのでは…？』
「私がいないとダメな理由があるんですよ…」
そして土曜の練習後、私はバツイチの父親の一人娘として高宮家へやってきたのだった。
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桜田(プロフ) - 月魔_tukimaさん» ありがとうございますーっ！実はですね…このガルサイコ…私がパスワードをど忘れしてしまい、続きが書けない状態になってしまったんですよ。もう一つ最初からやり直しで書いてるので、よろしければそちらもご覧ください！ (2017年12月26日 22時) (
レス) id: 6d69a248b5 (このIDを非表示/違反報告)
月魔_tukima - 語彙力と文章力がありすぎて凄いです！これからも頑張ってください！ (2017年12月26日 9時) (レス) id: a779dcaf0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜田 | 作成日時：2017年9月30日 22時
