ガールは律とデート？�� ページ12
『ここのビルから？…確かに何か感じますね。』
「そうでしょう。じゃっ、中入るよ。」
私達は屋上から建物の中へ入った。幸い廃ビルだったから、無機質なコンクリートの柱が辺りにむきだしだった。
「…！律君止まって」
『ぁいたっ。急に手出さないで下さい。』
広い灰色の空間の隅に、後ろを向いた女性がしゃがみこんでいた。
『…貴方達、ここへ何しに来たの？成仏させてくれるの？私を。』
「…散歩してたら霊気を感じて来ただけですよ。貴女が成仏したいというなら手伝いますが？」
女性はゆっくりとこちらを振り返った。黒髪のショートヘアがサラッと揺れる。
『本当？お願いしようかな。』
スッと白い手を差し出した。途端、
『ｱｯﾊﾊﾊﾊﾊ!成仏なんてするもんですかぁァア！！』
「えっ、ちょっとっ、うわっ！！」
『Aさんっ！！』
私の視界が暗くなり、次に開けたときには、身体をガチガチに縛られていた。もちろん律君もだ。
『私は毎日親が借金を取り立てに来るヤクザに虐められるのを見るのが嫌だった。ある日、いつもの仕事からの帰り道に後ろから猛スピードで来た車に慌て、電柱に頭を打った。それで私は亡くなったのよ…』
「前半部分、亡くなる事に関係ないのでは…」
『あるわ！！その車、ヤクザの車だったのよ！幽霊になったあと見に行ったわ即刻！』
縛られている紐をよく見ると、女性の髪の毛だった。かなり恨みがあるのか、力が強い。
『…っ…Aさん！除霊できないんですか？！』
「…で、できるよ」
『僕はまだあまりコントロールが得意じゃないんですっ…だからっ…』
縛る力はますます強くなり、会話もするのがやっとになってくる。
私は、軽率な判断のせいで律君を巻き込んでしまったことを後悔した。
「律…君。ごめんなさい。私…私…あなたを…って律君？！ちょっと！！起きて！」
『…………』
彼は気絶していた。唇の色も悪い。私の心臓がバクバクと音を立て始めた。
私のせいで。
私が調子者だから。
私が…私が…。
『あらぁ？このまま貴方達、血流が止まってしまうわよ？』
…バクバクとしていた心臓は、いつの間にかドクン、と一つ一つの心音がはっきり聞こえる速さになった。
後悔あれこれより、今私にできることがある。
「待ってて律君。」
__ペンダントは紫の光を優しく放ち始め、徐々にそれは全身へ伝わっていく。
縛っていた髪はほどけ、目が青紫に染まる。
数秒後、建物の窓ガラスは割れていた。
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桜田(プロフ) - 月魔_tukimaさん» ありがとうございますーっ！実はですね…このガルサイコ…私がパスワードをど忘れしてしまい、続きが書けない状態になってしまったんですよ。もう一つ最初からやり直しで書いてるので、よろしければそちらもご覧ください！ (2017年12月26日 22時) (
レス) id: 6d69a248b5 (このIDを非表示/違反報告)
月魔_tukima - 語彙力と文章力がありすぎて凄いです！これからも頑張ってください！ (2017年12月26日 9時) (レス) id: a779dcaf0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜田 | 作成日時：2017年9月30日 22時
