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青『ほんまは、兄みたいな気持ちで居ってんけど。』
「…はい、」
青『こいつ絶対俺に惚れてもうてるやん とか正直思ってた 笑』
「…ふふ笑、」
青『けど、あの時からずっと 忘れたことなくて、
…Aのこと 、良い家庭に恵まれて欲しいけど それが俺やなかったら嫌やな なんて思って。』
「…はい。」
両手で肩を引かれ、社長と向き合う形に。
青『…昔も 今も、ずっと 好き』
「…私も、です…」
右の口角が上がって 照れた表情が可愛らしいな と思ったら
また 真剣な顔を見せて、
『A、…結婚しよう。』
「…っ、」
深く重なった唇は 、私の涙のせいで少ししょっぱい 。
「…はい、お願い…します。」
9年の時を経て、足りないパズルのピースがハマっていくように
私たちは 結ばれた。
「…私が結婚してあげますね、社長 笑」
青『うわ、立場逆転ってやつやな。
…かわいい秘書に 上から言われるなんてな。 』
「いいえ、俺様社長にはかないません 」
青『…おま、ずっとこの人俺様やな〜思ってたんやろ』
「思ってませんよ …ちょっとしか 笑」
青『思っとるやんけ !笑』
広い部屋だからと 追いかけあって
結局 彼に捕まってしまう。
…大きすぎて 不安になるくらい余白たっぷりのベッドで。
青『…社長に失礼な態度を取った秘書には 優しくできひんな』
「…や、やめてください 」
青『なら1個目の命令や。…目、つぶって』
「…はい、」
左手に手のぬくもりと同時に 薬指に…って
一向に何も無く 藤井社長からはガサゴソ音が聞こえる。
"あれ、なんでやっ" なんて間抜けな声と共に。
「…大丈夫、ですか?笑」
青『…やってもうた、』
「、社長?…目開けて良いですか?」
青『…ん、』
目を開けると 私の左手を手に取りながら
あちゃー、なんて顔をしている社長。
青『ほんまかっこわるいんやけど、
…緊張のあまり 指輪忘れてきてしもうた。』
「 …社長、かっこわるすぎます 笑」
今日はこれで許してや なんて また唇を重ねて
2人きりで 懐かしく でも甘い夜を過ごした。
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作者名:早緑 ナツメ | 作成日時:2023年3月28日 17時