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「それでは 皆さん、今日は本当にお疲れ様です!お先に失礼します 。」 と一言告げ、お店を出る
…肩にもたれかかった
「 大変お待たせ致しました !」
桃『ありがとう、ほんならAちゃんは助手席座って』
車内はオシャレなバラードが流れていて、
そんな雰囲気とは裏腹に 小瀧さんの昔話に花を咲かせていた。
桃『…ほんで、流星 修学旅行に行くのにそのキャリーバッグ忘れそうなっててん笑 ほんっま あほやろ?笑』
「 ふふ、社長って時々抜けてますよね笑」
桃『今はあれでもまだマシになった方やけど、昔なんて心配になるほどアホやったんよ笑』
「ええそうなんですか! 笑」
青『…人の悪口でえらい盛り上がってんな』
桃『やっべ、起きてたん笑』
「おはようございます、社長 笑」
桃『Aちゃん さっきの話、全部内緒な !』
「ふふ、はい笑」
藤井社長は起きたかと思えば眠っていて、相当飲んだんだろう。
こんな社長は見たことがない 。小瀧さんも仰ってたけれど。
桃『よし、着いたで 流星。起きひんかったら 外に置いてくで』
目をパチパチ瞬きさせている藤井社長。
すると、"あーすまん、ちょっと電話"と車を出ていった小瀧さん。
うわ、まじかー!なんて車まで聞こえる声
バタン
「…小瀧さん、?」
桃『ほんっまごめんAちゃん。…急な呼び出しで今すぐ行かないとあかん。…タクシー代あとで請求してええから、今流星のこと頼んでもええか ?』
「あ、はい !大丈夫です あとはお任せ下さい。」
ほんまにごめんー!と言いながら帰っていってしまった小瀧さん。
「では…おじゃまします。」
肩にもたれかかった社長をなんとかソファまで運ぶ
…朝 迎えの時に来たりしてはいるけど 夜に来るのは数える程度。
青『んん…みず。』
「お水ですね、…はい、どうぞ」
渡したペットボトルのお水を潰すように飲む。
…横から ゴクゴクと音を鳴らす喉仏に見とれてしまう。
青『なあ、小瀧と何喋ってたん?
…後ろで悪口聞こえてきてんけど。気の所為?』
「小瀧さんが 藤井社長のお話をしてくださって…、
ああでも 全然悪口とかでは無いので安心してください。」
藤井社長、関西弁だ。
地元に帰省した時か酔った時に関西弁になるのは知っていたけど
直接聞くのは初めてで、なんだか新鮮。
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作者名:早緑 ナツメ | 作成日時:2023年3月28日 17時