黄緑色 ページ6
秋は食の秋、だなんて言うけど、俺もそう思う。あ、勿論芸術とか読書も勿論そうだけど。俺は目の前にいる彼を見ると、「ああ、秋だなぁ…」って。
「…？ど、どうしたん、そんな見て、あ！足りへんかった！？」
「んーん。…ゾム見てるとねぇ、秋だなぁって。」
「食の秋やからな！ほら、りっとももっと食えや！」
「いーの。俺はねぇ…見てるだけで良いから。」
そう笑って見せると、口にソースを付けて首を傾げてる。…可愛いなぁ。ふふ、と俺も笑ってしまう。残ったコーヒーの匂いを嗅ぎながら、飲み干す。
「…なぁ、りっと…、スイーツは頼まへんの？」
「…そーだねぇ、アップルパイでも買おっかな。」
「半分にせえへん？…お、俺も食べたい……。」
「…ふふ、良いよ、そうしよっかぁ。」
席から立ち上がり、りっとが目の前から居なくなるとゾムは顔を覆う。…態と、ソースを付けてみたのに拭わないのがずるい。…自分ばかり乙女みたいで、恥ずかしいのだから。
「…ずるい、わぁ…かっこええ、やん…」
「何が？」
「！？ちょ、心臓…止まるか思た…。」
「…ごめんってば。で？何がカッコいいって？」
余裕のある表情でニヤニヤと笑うりつと。…ああ、全て見透かされてたんや、なんて。今更なのに、りっとには叶わないなぁ。熱そうなアップルパイを片手に笑う姿さえも、眩しい。
「…い、や…その、りっとがかっこええなって…」
「…ありがと。ゾムも可愛いよ？ほら、あーん。」
「…っ〜！！」
「…ほら、あ〜んしないと、食べられないでしょ？」
ふーっと冷ましてくれるところも、気遣いが出来て好きだ…ああ、本当に秋は恋でさえも狂わせてしまうのだろうか。差し出されたパイを齧る。
「ん！美味しいなぁ、これ。」
「…！…うん、そうでしょ？」
ああ、彼が食べ物を食べて笑う姿が、愛おしい…。それを見るだけで幸せな気持ちになれる、は大袈裟だろうか？
「あ、そーだ。…後で絵描かせてよ。」
「分かったわ。何の課題なん？」
「…好きな人。」
「…そんな、緊張してしまうやん…」
いつも通りで良いんだよ、と微笑むりつと。…そんな、絵を描いている時の彼の真剣な目も好き、とは言えないだろう。
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月音 - リク答えていただいてありがとうございます…めちゃくちゃ性癖に突き刺さりました…すこすこのすこです！これからも節鱈様のペースで更新頑張ってください。応援してます… (2020年12月3日 17時) (
レス) id: 718ff7c250 (このIDを非表示/違反報告)
節鱈(プロフ) - 月音さん» リクエストありがとうございます、そこまで言っていただけるとは…。光栄です。ご丁寧にシチュを書いて下さり、助かります。書くまで少しお時間かかりますが、気長に待って頂ければと思います。 (2020年11月25日 10時) (レス) id: bbdcbb2157 (このIDを非表示/違反報告)
月音 - 初コメ失礼します…簡潔に言うとめちゃくちゃすこです…橙色と赤色のを見て作者様の文に惚れ三作品全て見ました…どれも好きでした…リクしてもいいでしょうか？よろしければ学パロで花の世話している白色に鷺沢くんが花より白の方が可愛いと言うお話をお願い致します… (2020年11月24日 21時) (レス) id: 718ff7c250 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：節鱈 | 作成日時：2020年10月30日 11時
