空に好きを綴るあなたへ【青×黒】 (ページ47)

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(目黒side)

「ふぇ、、、っぐぅ、、、、、っっ、、」

Aが泣いているのを久しぶりに見た気がする。

いや、実際には見てないか。

この子は隠すのが上手いから、

強くあろうとする子だから。

空には大きな音を立てて花を咲かせていて

昔からなんだかんだ毎年Aとみてる花火

今日は一段と、色が鮮やかに見えた気がした。

「、、、ふぅ、、っ、」

隣にいるAが空を見上げる気配がした

「…………目が、、、拭えません、、。」

俺と渡辺がぱっと手を離す

渡辺「……あ、ごめん。」

目黒「……ふはっ、」

頬をつたる涙を少しずつ拭き取るAを

どさくさに紛れてちらりと盗み見る。

涙を拭うAの姿はとても大人っぽくて、

何故か俺が泣きそうになった

顔から手を離したAは、また花火を眺める。

それに慌てて俺も空に視線を戻した。

そのまま誰も何も発することはなく、

3人でただひたすら、色が散る空を眺めていた。

しばらく経って花火は終わって、

誰もいない神社には静寂が広がる。

それでも俺たちは空を眺め続けていた。

「……花火が終わったあとの空ってさ、」

渡辺「ん？」

「可哀想だよね」

彼女の瞳に映る世界は、いつだって綺麗だ