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(渡辺side)
ﾋｭｰ、、ﾊﾟｰｰﾝ
渡辺「あ、もう花火始まる時間か、、」
手当が終わったらしいAちゃんが
俺と目黒の間に座る。
「……綺麗だねぇ」
渡辺「うん。綺麗。」
3人で空を見上げる。
目黒「…無理しないでいいよ。」
「んー？」
Aちゃんも目黒も空を見上げたままだった。
目黒「もう、我慢しなくていいよ。
俺も渡辺も、花火を見てるし、
花火の音だけを聞いてるから。
だから、、
泣いてていいよ。」
「っっ、、！！、」
目黒の言葉に、Aちゃんが俯く気配がする。
そこでやっと、気がつく。
あぁ、ずっと我慢していたのか、
…………気が付かなかったな、俺。
ベンチに置いていた手がこつん、とAちゃんの手とぶつかって、
Aちゃんの手が震えていたことに気がついた。
思わずAちゃんの手を上から握りしめる
多分、目黒も、同じことをしている。
「っ、、くっ、、、ふぅ、、、ぐ、、、」
花火から目を離さず、花火の音だけを聞いて、、
となりのAちゃんのことを想った。
「ごめん、、、美咲、、。、また、やっちゃった、、、
また、、守りたい人、、傷つけちゃっ、、た、」
“また“って、なんだろ。
Aちゃんは過去に誰を傷つけたんだろう。
誰を守りたかったんだろう。
“Aは強そうだけど、強いけど、
とっても弱い子だから“
“強いフリをするのが得意なだけだから“
この前、
目黒が言っていた言葉の意味を今やっと理解できた。
それと同時に、
どうしようもなく、
Aちゃんを守りたくなった。
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作者名：ふく | 作成日時：2024年1月12日 0時
