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(渡辺side)
「渡辺くーん！」
レジの方を探していると大きく手を振ってこちらに向かってくるAちゃんが見えた。
必死に背伸びして、俺の名前をよんで、
手を振るAちゃんが純粋に可愛くて、
片手で赤くなってるであろう顔を覆いながら、
もう片手を軽くあげる
「やっと見つけた！そういえば連絡先知らなかったことさっき気づいてさ！はいこれ！」
渡辺「ん、あんがと、俺も今気がついた、」
プレゼントを手渡される
………今しかないよな、、、
渡辺「あんさ………連絡先、、交換しない、、？」
「あ、いーよー」
渡辺「え、？あ、ありがとう、、？」
「LINEでいい？」
渡辺「あ、うん」
そのまますんなりLINEゲット。
ちょっとすんなり行き過ぎてビビったけど
「今日はお世話になりました」
渡辺「ふはwそれこっちのセリフ、ありがとね」
「いーえ、妹ちゃんによろしく言っといて」
渡辺「…ん、わかった言っとく、」
「じゃーね！」
渡辺「ばいばい」
ぶんぶんと手を振るAちゃんに、
同じように軽く手を振ってそのままわかれた、
数歩だけ歩いて振り返ると、
Aちゃんも当たり前のように歩き出していて、
その背中に向けて、思わずスマホを向ける。
ﾊﾟｼｬｯ
少しだけ、
あの頃の幼いAちゃんが見えたような気がした。
Aちゃんだけが切り取られたように
色がついて見える
特別なフィルターでもかかってんのかな。
ーーーーーーー
家に帰ってベッドに寝そべり、
LINEの友達欄を開く
新しい友達のところに加わったAちゃんのアイコンをタップすると、
綺麗な青い空を背景にカイトくんのキーホルダーが掲げられていて、
それがAちゃんらしくて、また胸が高鳴った。
渡辺「……あーーー、、、ぐっ、、、！！！」
“今日はありがと“
何度も打っては消してを繰り返し
30分以上かけて送った俺の勇気は
“こちらこそありがと！楽しかった！“
可愛い犬のスタンプと一緒に返ってきたメッセージによって、いとも簡単に顔を緩ませるものへと変えてしまう。
渡辺「………ぅがーーー、、、！！！
それはずるいって、、、、、、、」
ベッドの上でクッションを抱えて
バタバタと悶絶する俺は、
まるで中学のガキみたいだった。
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作者名：ふく | 作成日時：2024年1月12日 0時
