空に好きを綴るあなたへ【青×黒】 (ページ22)

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(渡辺side)

そのまま委員会は終わって、ふたりが帰っていくのを見て、、、、あれ、

今日ってクラスの女子にカラオケ誘われてたんだっけ

…だる、適当に教室で時間潰して終わりぐらいに連絡しよ

そう思って教室に向かったら、

何故か目黒の席に座っているAちゃんがいた。

真っ赤な空の色をめいっぱい取り込んだ教室の中で
夏の風に髪をたなびかせて
空を眺めるAちゃんの横顔はとても艶美だった。

思わず見とれてしまったが、
しばらくしても全然こちらに気が付きそうにないAちゃんに思わず声をかける

渡辺「………Aちゃん？」

「…あ、、渡辺翔太。」

こちらに振り向いたAちゃんにまたひとつ胸が高鳴った。
…俺、こんなちょろくないはずなのに。

渡辺「どうしたの？こんなとこで、目黒と帰ったんじゃなかったの？」

「めめちょっと先生に呼び出されたみたいで、待ってるとこ。」

渡辺「そっか。」

必死に平気なフリをしてAちゃんの前の席に椅子をまたぐようにして後ろ向きに座る。

Aちゃんの甘い香りにクラクラする

思いのほか近くて、自分の心臓の音が静かな教室に響き渡っているようだった

それを覆い隠すように、机に両腕を置いて、その上に額を乗せ顔を机に伏せる。

少し上からAちゃんの呼吸の音すら聞こえてきて、
また顔に熱が集まるのを感じた。

渡辺「…」

「…。」

昼あんなに騒がしかったとは思えないぐらい静かな教室。

2人とも何も発さないけど、どこか居心地が良くて、ずっとここにいたいなんて思った。