13 ページ13
(目黒side)
あー、本当にヤダ。
今まで受けていた数学の補習に加え今日から英語の補習まで受けなければ行けなくなった。
…今頃Aと一緒に帰れていたのに。
補習が行われる教室に行くと数人が既に席に着いており、
できるだけ目立たない端の席を選んで座った。
時間通りに先生も来て、始まるという直前
渡辺「っっぶね、ギリセーフ、」
先生「時間的にはアウトですよ、早く席座りなさい。」
渡辺「はーい」
少しキョロキョロと見渡した渡辺は俺を見つけると何故かこちらに向かってきて、俺の隣に座った。
目黒「は？いやなんで、他の席いけよ」
渡辺「え？いーじゃんもう座っちったし」
先生「はい、では補講を始めます。」
…始まっちゃったよ
英語の補講はいつもの授業を丁寧にしたもので、
文法や語法を事細かに説明、解説して終えた。
先生が授業の終わりを示すと生徒が帰る支度を始め、教室を出ていく。
渡辺「…はぁーー、眠かったー。え、何お前帰んねぇの」
席を立たずに新たなプリントを出し始める俺に
立ち上がった渡辺が話しかける
目黒「こっちは数学の補習。このプリント終わらせないといけないの。」
本当にめんどくさい。俺だって早く帰りてぇよ
渡辺「…ふーん、あ、俺教えてやろっか？数学ならまだ得意な方だし。」
目黒「……え？」
渡辺「今日やんないといけないんだろ？この後暇だから教えてやってもいーよ。」
その言い方にちょっとムッとする。
確かにわかんないし、Aに聞くのも恥ずかしくて困ってたけど。
ちなみに、数学の補習はプリントを出されて
難しいのはざっと説明し、あとは自分で解け
というなんとも雑なもの。
つまりそのプリントが終わるまでは補習が終わることは無い
返事のない俺に渡辺は1つため息を吐き、勝手に手元のプリントをのぞきこんだ
渡辺「どれ？……あーこれは一旦三平方の定理使えよ、、、」
その後も英語の補講がある度、渡辺は俺に数学を教えてくれた。
意外とこいつ良い奴かもとか、ちょっとだけ思ってしまった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 214人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふく | 作成日時：2024年1月12日 0時
