空に好きを綴るあなたへ【青×黒】 (ページ1)

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(渡辺side)

初めて、胸が高鳴る感覚。
心地よい空間。

長い髪をたなびかせながら走り去る彼女の名前は分からないままだった。

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4月、新学期、入学式。

着慣れないサイズ大きめの制服を身にまとい、
緊張しながらぎこちなくも２3年生の間を歩いて自分の席に座った俺らは数分後には眠気と戦いながらおっさんの話を聞いている。

渡辺「あのおっさん校長だっけ？」

女子「う、うん…」

今初めて話した隣の女子は目が合うなり顔を赤らめる。

…こいつもか。

心の中でデカめのため息を吐きながら顔に慣れた笑顔を貼り付ける

渡辺「そっか、ありがとね。」

今まで何もしなくてもモテてきた。

告白もされてきたし、彼女も何人かいた。

みんなみんな、カッコイイだのスタイルがいいだの、
俺の外見で全てを知った気になって。

顔を褒められるのは普通に気分がいい。

高校でも適当に告白してきた可愛い子と
付き合って別れるを繰り返すんだろうな。

それか俺の過去が広まって1人になるか。

…後者はやだな。

あー、入学式だる、とか思ってると
いつの間にか話し終えたようで、満足気な顔したおっさんが横にはける。あれ、あんな顔だったっけ。

…どーせ卒業式まで顔覚えてないだろうしどうでもいいか

教室に入り、各々友達を作っていく。

俺も例外ではなく、周りのヤツらと話してみて、
それとなく会話を合わせる。

そんな中、1人だけ交流を絶つように顔を机に突っ伏して寝ている奴がいた。

…何あいつ、明らかに浮いてんじゃん。

確か、＜目黒＞とかいう奴。

図体でかいくせに縮こまらせて、
前髪とメガネで目を隠して、

少なくともあいつはこの1年、1人確定だな。可哀想に

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…なんて思っていたのに、

「めめー！SHR終わったー？一緒帰ろー」

なんで、、君がいるんだ