ライブ終わり控え室にて ページ16
｢誠也くん｣
｢ねぇ、誠也くん｣
｢誠也くん？こっち向いて？｣
｢ほら、ぎゅーしよ？｣
控え室の隅っこで拗ねていた誠也くんが
渋々と言った感じでこちらに歩いてくる。
膝の上に向かい合うように乗せて抱きしめると
いじけた顔を隠すように俺の肩に顔を埋めて
頭をぐりぐりと押し付けてくる。
｢誠也くんはほんまにかわいいなぁ、｣
末｢いやや、｣
｢、なんで？可愛い言われるの嫌になっちゃった？
かっこいいのがええ？｣
末｢、、ちゃう｣
｢ならどうしたんですか？俺なんかしちゃった？｣
末｢、、ぁ、、ぃ、｣
｢ごめんなさい、聞こえへんかったからもう1回聞かせて？｣
末｢、おれ、、、おれだけ、が、いい、｣
｢ん？誠也くんだけ？なにが誠也くんだけがいいの？｣
末｢、、Aのかわいいは、俺だけがええの、、
今日、たいせのことかわいって、、｣
｢、、っ、、、、、はぁ｣
末｢、、、、ゃ、、やっぱ、、なんもない、｣
｢誠也くん可愛いのもええ加減にしてください｣
末｢え、？｣
肩にあった顔を頬を包むように持ち上げると
目に涙を貯めてこちらを見つめる誠也くん。
｢誠也くんはもうちょっと自分が可愛い自覚を持ってください。
可愛すぎるのに無防備で、俺、不安になっちゃうから、
あとね、誠也くん。誠也くんは俺にとって特別やの。
そりゃ女の子の格好してる大晴くんは可愛かったよ？
誠也くんも事実として可愛いと思ったでしょ？
でもね、誠也くんは特別なんすよ、ほんまに、
ねぇ誠也くん。俺が普段どんなに、どんなに我慢してるか
知らんでしょ。誠也くんのこと、どんなに尊敬してて、
どんなに可愛いってかっこいいって思ってて、
好きだと思ってるか知らんでしょ。｣
末｢、、、へ、、｣
｢誠也くん。誠也くんに言う可愛いは思ってる10分の1にも
満たないし、他の人に言うのとはレベルが違うんですよ、｣
末｢、っ、もう、えぇよ、、わかったから、｣
｢ほんまにわかってますか、？俺、誠也くんがおらへんかったら
ここにおらんし、こんな熱量で、こんな距離で人と話すことも
なかったし、、ほんまに、全部誠也くんやから、なんすよ、？｣
｢ねぇ誠也くん。うざいかなと思って今まで言わんかったけど、
誠也くんが俺の全てなんです。俺のために生きてくれ、なんて
言われへんけど、俺は、誠也くんのために生きてますよ。｣
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作成日時：2023年5月7日 1時
