”家族を探すために”【MHA×ワンピース】 (ページ42)

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夕食後の風呂でもまた権化ミネタが懲りずに覗きをしようとしていたが、それは流石に真面目な委員長が許さない、と。

昨日みたいな事件は起きずに合宿三日目を迎えた。

「補習組、動き止まってるぞ」
「オッス…！！」
「すいません…ちょっと……眠くて」
「だから言ったろ、キツいって」

補習がない人達の就寝時間は２２時。補習がある人達の就寝時間は日をまたいだ２時。起床時間は変わらず５時。
睡眠時間３時間、眠くなるのは分かる。書類仕事で５徹したときは死ぬかと思ったし。

「何をするにも常に原点を意識しとけ。向上ってのはそういうもんだ。何のために汗かいて何のためにグチグチ言われるか、常に頭に置いておけ」

…原点、ねェ。本当の原点だった家族はもう無いので意味ないのですが。無いモン意識しろったって無理あるべ。

………………いや本当。
なんでこんな意味ないことしてるんだ……いや能力と覇気伸ばせるのはいい事だけどさ。

「…あー……」

考えるのやめよ。

この３日で見聞色の索敵範囲もちょいと広がったし。意味がないわけでは…………ここでやる理由が無いってだけだな、どっちかというと。

「ねこねこねこ……それより皆！今日の晩はねぇ…クラス対抗肝試しを決行するよ！！しっかり訓練した後はしっかり楽しい事がある！ザ・飴と鞭！！」
「ああ…忘れてた」
「怖いのマジやだぁ…」
「闇の狂宴」

肝試しか。
肝を試す方と試される方、どっちができるんだろうなァ。

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

今日の夕飯は肉じゃが。

「緑谷君、薪に火つけるの手伝ってあげようか」
「あ、ありがとう千弦君」

道具を使って簡単に火を起こせるとはいっても薪の数自体が多いからね。
２人でサクサク火をつけていると緑谷君の方に轟君が近づいていた。
会話の中で聞こえた「コウタ君」という単語。

「その子がさ、ヒーロー…いや、個性ありきの超人社会そのものを嫌ってて、僕はその子のためになるような事言えなくてさ。オールマイトなら…何て返したんだろって……轟君なら何て言う？」

…何言ってんだアイツ。

「…………場合による」
「っそりゃ場合によるけど…！！」
「素性もわかんねぇ通りすがりに正論吐かれても煩わしいだけだろ。言葉単体だけで動くようならそれだけの重さだったってだけで…大事なのは、“何をした・何をしてる人間に”言われるか…だ。言葉は常に行動が伴う……と思う」
「…………そうだね…確かに。通りすがりが何言ってんだって感じだ」