”家族を探すために”【MHA×ワンピース】 (ページ36)

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「んじゃ…なんで嫌いなヒーローになろうとしてんだよ。馬鹿じゃねぇの？」
「目的があったんだよ。目立たないといけないような目的。……ヒーローになるのは目的のための手段でしかなかったんだ。目的のためになら苦手なヒーローにだってなれた」
「…………」
「コウタ君はヒーローが嫌いなんだよね。そういう態度をずっととってきたの？」
「……だったらなにかお前がこまるのかよ」
「いや？僕は何も困らないけど」
「んじゃくちだしすんな」
「人生の先輩からのアドバイスだよ」

他人の好き嫌いに口出しする気はさらさらない。ヒーロー嫌いお好きにどうぞ。

ただコウタ君に何があったのかは知らないけど、

「…その態度はダメかな」

彼のおでこを弾く。
何すんだよ、ともう少し距離を取られた。

ヒーロー嫌い。

特定のヒーローが嫌いなら、ヒーローなんて全部同じだっていうその考えを今すぐやめた方がいい。ヒーローという職業をしている人にも色々な種類があるから。
でもヒーローという仕組みそのものが嫌いなら。

「この世の中じゃヒーローという仕組みが嫌いな人は少数派なんだ、その態度で貫くといらない敵まで増えちゃうよ。同世代の友達とか」
「…べつに、かんがえの合わない友達なんていらねぇし」
「本当に？１人で生きるよりも仲間が居る方が楽しいよ？考えが合わないなら考えが合わないなりにやり方もある。向こうの意見に同意する事もないけど、自分の意見を押し付けるわけでもない…みたいな感じにさ。

自分の意思を貫く事も大切だけど、時には取り繕う事も大切だ。もっと楽に生きなよコウタ君。海賊よりつらい生き方をしようとしてるよ、君」

…「海賊」が蛇足だったかな。また頭に疑問符浮かべてる。……まいっか、言いたい事は言えたし。

「『敵を作りすぎると自分に全部跳ね返ってくるよ』って事と、『時と場合によっちゃ自分を貫くよりもうまく躱した方がいいよ』って事。……後はまァ…………そうだね、ヒーローになんて期待するだけ無駄だよとも言っといた方がいいか…な……」

いややっぱ嘘だ言わない方がいいわこれ、相澤先生とワイルド(略)キャッツのみなさんとかいう現役ヒーローの人たちが揃っていやがる。

急いで「いややっぱ嘘かも」などと取り繕ってみるとコウタ君に不審な目で見られて、そのままどこかに行ってしまった。

「……夜白、外に出ろ。ここに来た目的忘れんな」
「強化合宿？でもまだみんな来てないけど」
「関係ないよ」
「あっそう」