”家族を探すために”【MHA×ワンピース】 (ページ35)

今日:63 hit、昨日:55 hit、合計:30,002 hit

８４ページ35

「……他はどうした」
「面倒見る義理はないでしょう」
「……そうかい。昼飯は鮭弁当だ」
「ふゥん」
「ったく…………どうやって抜けてきた？普通に走り抜けるだけでも２時間はかかる距離だぞ。今は１１時ちょうどくらいだが」

１時間半で踏破か…。まあまあだな。やっぱ見聞色の探知範囲もっと広げて負荷かけながらやってもよかったか。

先生方はやっぱりというかなんというか…時間制限の１２時半までに踏破出来る人は少ないと踏んでいたらしく、用意されている弁当の数自体が少なかった。
ただそれでも一応時間制限の１２時半まで待って、それから弁当を食べた。うん弁当って感じの味だった。

「ンで……あの子は？」
「私の従甥だよ。……コウタ、挨拶しな。一週間一緒に過ごすんだから」

マ……マ？ピクシー…いやそっちは違う方だな。キャ…………あ、マンダレイさんでしたか。すみませんね名前でてこなくて。

マンダレイの従甥だというコウタ君。ツンツンしてそうな子だ。

「僕はチヅル。よろしくねコウタ君、よければ君の名前の漢字を教えてくれないかな」
「…………」

何も言わずに男の急所を叩こうとしてきたので、その拳を握ってそのまま肩車をした。

「…ん、なっ…！？」
「肩車は嫌い？」
「降ろせ！！」
「似たようなことを今日の朝女の子にも言われたんだよね。お姫様抱っことか肩車とか、最近の子は好きじゃないの？」
「そんながきじゃねぇし！ヒーローになりたい連中となんてつるむ気ねぇの！！」
「……へェ？」

この世界の子供にしては珍しい事を言う。
と思ったらその感情がそのまま声に乗ったのか、思いの外低い声が出てコウタ君を少しひるませてしまった。

とりあえず肩車をやめる。怒られるとでも思ったのかすこし後ずさりをされた。
構わずしゃがんでコウタ君と目線を合わせる。

「ヒーローが嫌い？」
「っあたりまえだ！」
「へェ偶然だね、僕も嫌いなんだ」
「…………、……は？」
「ヒーローね。いやどちらかというと嫌い…というより苦手に近いけど」

…わあ、コウタ君の頭に疑問符が浮かんでるのが見える気がするよ。

というかここで話すのまずったな、相澤先生が寝てるフリしてしっかり聞き耳立ててるし、ワイルド(略)キャッツの人も書類仕事してるフリして聞いてるし。

……まあいいか、もう雄英やめるし。聞かれても特に何のデメリットもない。