”家族を探すために”【MHA×ワンピース】 (ページ14)

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彼女の耳の近くにつけられていた魚のヒレのようなそれは無線の役割も果たしていたらしく。船長は先行した、そっちはどうだと聞いてきた。
それを使わないほどバカでもないよな、というわけで。

「おいガキ、女の命が惜しければ俺の言う通り言え。『密航者は発見できませんでした』」
「ケロ…」
「…………」

随分とつまらない脅ししか出来ないんだなァ。バリエーションとか無いのか……と考えてる場合じゃないのか。全く。

「ち、千弦ちゃん……」
「おっと、相談はさせねぇぜ！？」

伸びてきた手が自分の体に巻き付いた。余計な事は言えないように口を押さえられて、シリウスと同じように宙吊りにされる。

…ま、どっち選んでも大丈夫なんだけどね、自分が居るから。２人は殺させないし、セルキーに助けを求めたとしても彼が来るまでの時間稼ぎくらいならできる。……時間稼ぎどころかそのまま捕まえれるな。
そんな事だから、安心していいんだけど。

「……分かったわ」

ピ、と送信ボタンを押してフロッピーが叫んだ。

密航者は二つ岩に居るわ！！と。

船に叩きつけられる前に嵐脚でまず自分を捕まえていた腕を斬り落とす。タコだから何なのか知らんが８本も腕あるし。再生してくるだろ、知らんけど。
切り落とされた事でゆるくなった拘束から抜け出して、今度はシリウスを掴んでいた足を斬る。

「このガキ！！！」

飛んできた足を避けて懐に潜り込む。

「さっきから攻撃が単調以外の何でもないんだよ、この…タコ！」
「ぐへっ…！？」

顎に一発入った。
漫画みたいに倒れ込むタコ野郎を見届けてからシリウスさんの方を振り向く。そこそこな高さから落としてしまったから骨折とかしてないか、と思ったけど…してなさそう。

「チヅルちゃん！」
「あ、フロッピー大丈夫？シリウスさんも」
「危ないっ！！」
「んァ？」

…ああ、タコ野郎の事。気づいてるから大丈夫。

５方向から伸びてきていたタコ足を、タイルを形成してピンポイントでガードする。そのままタイル飛ばして殺してやろうかと思ったけれど、ちょうどセルキーが到着してタコ野郎を蹴り飛ばしてくれた。
もう後は彼にまかせていいだろう。

と、いうことで。
密航者計４人は全員逮捕、運び込もうとしていた違法ドラッグも回収成功。
無事解決、と言っていいだろうという結果になった。

次の日も体験場所へ行って、その日で職場体験は終わった。
久しぶりに海を見れてよかった。