”家族を探すために”【MHA×ワンピース】 (ページ13)

今日:56 hit、昨日:55 hit、合計:29,995 hit

６２ページ13

シリウスの言葉にフロッピーは力強く頷いた。自分もまあ、頷く以外の選択肢はないわけで。異論はない、セルキーがこの船の長だから。

船を岸に移動させてる間にフロッピーに近づいてこそっと話をした。

「フロッピー」
「なにかしら？」
「今回は…職場体験だったから選ぶ余地はなかったけど。……自分が乗る船を決めるときは『この人にならついていける』って人の船を選ぶって事も大切だよ。船の上じゃ何よりも船長の命令が最優先だから」

いざという時に信用できない人には絶対についていかない方が良いし。

船で岸へ進み、岩の影に船が隠れているのを確認した。周りからは見えにくい、隠れるにはちょうどいい場所だ。

「エンジンを切ってクルーザーの死角へ」
「おう」
「２人も手伝って！」
「ケロ！」
「ん」

合計４人で船から降りて岩へ飛び乗る。ちょうど足場になるようなところがあって助かった。

船には見張りが居たが、フロッピーが伸びる舌を使ってこっちへ引き寄せて確保。
仲間は１人だけだという情報を吐き出させてから船へ潜入。潜入っつっても船に飛び降りただけだが。

引きずり出してやる、と一歩前に出た操舵手…ミックってさっき呼ばれてたな。ミックの目に黒い墨のようなものがかかった。
そのまま船内から伸びてきたタコ足みたいなものに吹き飛ばされてミックさんノックダウン。

飛ばされた彼を見て呆然としていたフロッピーを狙ってまたタコ足が伸びてくるのが分かった。
伸びてきたそれを掴んでひねり上げ、短剣で斬り落とす。先端の斬ったタコ足はそこら辺にポイ。

バキ、と船を破壊して他のタコ足が広がる。

「ヴィラン…！！」
「うまく逃げられたと思ったのに……まったくしつけえやつらだなぁ！」

横から捕まえようと迫ってきたタコ足を避ける事なく受けて、そのまま嵐脚でも飛ばして倒そうと思った。
世話焼きな彼女がそれを許してくれなかった。

「チヅルっ！！」
「うおっ」

ドンと横から押されて自分の代わりに彼女がタコ足野郎に捕まった。
捕まって宙吊りにされたシリウスは警棒で足を離させようとしたがあっけなく警棒を弾かれ、拘束をきつくされて終わっていた。

「おっと動くな！？こいつは俺様が保安庁から逃げ切ったら帰してやる。お前らにも積み荷を運ぶのを手伝ってもらう―――」
《すまねぇ…！漁船に閉じ込められてて通信も遮断されていた》

……最悪のタイミングでの無線だな。