”家族を探すために”【MHA×ワンピース】 (ページ12)

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「まもなく日が暮れる。お前らはレーダーを使って小型船を捜索しろ。俺は海中からやつらを捜す」

……アザラシならソナーでも出せるのかな。

初っ端から見聞色全開でとっとと捕まえてしまってもいいが、それだとフロッピーが少し可哀想なのでやめておく。見聞色で見つけたところで能力は”タイル”で通したので……覇気を知らん人達には「どうやったんだ」って質問攻めにされるのがオチだろうし。それは面倒だし。うん。

日が暮れて夜、一応肉眼でも捜すようにと双眼鏡を渡されたが…………いや夜の海って本当に見えないからな、分かってるよなそれ？

「さすがにこの暗さじゃ何も見えないわ…レーダーもまだキャッチできないみたいだし」
「大丈夫！私達には船長が居るんだから！」
《海上保安庁から連絡！密航者のものと思われる漁船が、追跡していたヒーロー事務所の巡視艇を振り切って俺たちの担当警戒海域の方角へ逃走したそうだ！》

と言われたとほぼ同時に甲板にセルキーがあがってきた。密航者が乗っているであろう漁船の位置を確認したんだと。
向こうに気づかれないように明かりを消して近づくことになった。

漁船を肉眼でも確認できるようになってからは、巡視艇で針路を塞いでから乗り込む事になった。

「私達は何を？」
「ここに残れ。シリウス、一緒にいてやれ」
「はい」
「ケロ…それじゃ職場体験にならないわ」
「いいから黙って俺の言う事を聞け！行くぞ」

ま、何が起きるかわからないし。
船に残っているのは操舵手であろう人とシリウス、フロッピー、それから自分。

漁船の進行方向に船をつけ、照明をつけ、それから十数分ほど連絡を待つ時間が続いた。
あの大きさの船を検閲するだけにしては時間がかかるな、ということで操舵手さんがセルキーに連絡を入れようとしていた。

「……船長？…船長！応答してください！」

…どうやら無線が通じないらしい。策に嵌められたかな？

操舵手君が向こうに行こうとしたところでシリウスが待ったをかけた。
……彼女の能力で、セルキーのソナーを感知できるらしい。で、セルキー曰く”こっちはいいから密航者を見つけ出せ”と。

「ミック、船を出して！あの漁船がおとりだとすれば、密航者は岸へと向かってるはず…！急いで！！」
「分かってるって！」
「船長たちを助けなくていいの？」
「私達は船長の指示に従うの。船長が決めたことが最善だと信じてるから…！２人も信じて、船長を……私達を！！」