”家族を探すために”【MHA×ワンピース】 (ページ11)

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「嫌になった？」
「最初はね。でも船長のサイドキックをしていて分かったの。ヒーローにとって本当に大切なものが何かを」
「大切なものって？」
「そこは自分で見つけなきゃ！でしょ？」
「ケロ」
「…チヅルは？どう、飽きてない？」
「いや全然全くもって飽きてない。帆船じゃないって事と木造じゃないって事に目を瞑れば超楽しい」
「船に乗ってた事が？」
「…………あァ、１５年前が最後だけど」
「…きみ今何歳？」

という雑談をしていると船長であるセルキーが来た。甲板掃除終わらせろとのことだけど、もう終わってるから。
そう伝えると「俺の早とちりか、ゴメンネ♡」と謝ってきた。

……え、どう反応すれば。

「ははは！かわいすぎて声出ねぇか、フロッピー、チヅル」
「あきれてるんです！いつも言ってますけど顔だけ可愛くしてもダメです、首から下がマッチョなんですから」

いやマッチョはあまり関係が…………あるのか？
とりあえずレベルとしては罰ゲームで女装したサッチくらいな感じ。

ちなみにセルキーの「ゴメンネ♡」は子供にやるとバカウケするらしい。

「セルキー船長！海上保安庁から連絡が来やしたぜ！」
「分かったすぐ行く！！」
「…２人共、ロープを外すのを手伝って。恐らく出航よ」

ロープを外し終えたのを報告したところでセルキーの号令。緊急出航だと。
帆をはって風を受けて…ではなく、スクリューを回して出航、ってのがどうにも慣れない。帆がはためく音がないなァ……さみしいね。

海上保安庁から連絡があったのは、貿易船に密航者が乗り込んでるというタレコミが保安庁に連絡されたかららしい。保安庁も貿易船ナイサン号を検閲したけど密航者の姿は無かったと。

「だがよくよく調べたところ、船の貨物リストから一部の積み荷がなくなっていたそうだ。……これがどういうことか分かるか？２人共」
「ケロ…」

実質一択だろこんなん。

「保安庁が来る前に積荷を別の船に移し替えて逃げた、それだけでしょ」
「密航者はもしかしたら密輸ブローカーなのかも」
「うーん……正解♡」

船員達がそっと船長から目をそらしたのを見た。

今回自分らが受けた依頼は、小型船で逃げたと考えられる密航者達を確保して保安庁に引き渡すこと。なので、小型船の上陸予定海域に先回りして捕らえようという話だ。
海は広いが、他のヒーローやら保安庁やらも探すらしいので担当する海域はそこまで広くはない。