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伍話 ページ7

でも、私が目を閉じても何も起こらない。不思議に思って目を開く。さっきまで目の前に居た鬼は地面に頸を斬られて倒れていた。

「キャアーーーーー!何で死んでるのーーーーー!」

恐怖が限度を超えて、思わず叫んでしまう。すると、四方八方から鬼が姿を現した。怖いけれど、ここで死んでは私の物語はもう終わりだ。鞘から刀を取り出し、身構える。それと同時に鬼達が襲い掛かってくる。

「華の呼吸 参ノ型 華美!」

「花の呼吸 肆ノ型 紅花衣」

鬼の数が多過ぎて、一体鬼を倒してもまた次の鬼が湧いて出てきたかのように来る。斬っても斬っても余り数は変わっていないように見える。このままだと体力が持たない。

「カナヲちゃん、隙を見て逃げよう。」

私達は、鬼の隙を突いて遠くまで走り続けた。ここまで来れば大丈夫だろうという所で立ち止まる。

「カナヲちゃん...本当にごめんね。」

「ううん。大丈夫。」

その時、東側から太陽の光が差してきた。一日目は何とか乗り越えたんだ。そう思うと少し安心した。切り株に座って、ほっと一息つく。

「ちょっと、取ってくるね。」

私は、昨日食糧を置いてきた所へ戻り、木の実を抱えてカナヲちゃんの元に行った。

「お待たせ!これ、良かったら食べて!」

カナヲちゃんに木の実を半分程渡す。

「ありがとう。」

カナヲちゃんは木の実を食べ始めた。私も少し食べてみる。その木の実は甘酸っぱい味がした。そう言えば、お兄ちゃんと過ごしてた時も、この木の実を食べたっけ。本当ならお兄ちゃんと今でも過ごせていたはずなのに、あの出来事のせいで思い出がいっぱい詰まった幸せの瓶が、いとも簡単に壊された。当たり前の事が、当たり前じゃ無くなった。

ねえ、お兄ちゃん。私の事、覚えてる?私と過ごした日々は、忘れてない?

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ドリーム - シルバーウルフさん» しばらく考えてみたのですが、私には少し難しそうです。折角考えて頂いて申し訳ないのですが、色々と諸事情があるため、そのお話は書けなさそうです。すみませんm(__)mこんな事言っておいてなんですが、これからも読んでいただけると幸いです。 (2021年2月11日 16時) (レス) id: c19869b9be (このIDを非表示/違反報告)
ドリーム - シルバーウルフさん» リクエストありがとうございます!もし万が一他の方のリクエストがあれば、そちらも見て考えたいと思います! (2020年12月25日 21時) (レス) id: c574f6dd30 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - 人間の姿の時は言葉を喋る。 (2020年12月24日 12時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - ネコの時の姿は白銀色の毛並みの猫だから、人間の姿の時も白銀色のケモ耳と尻尾がある。名前がないため善逸に名前を付けてもらう。(^ω^)(^o^)v(*^^*) (2020年12月24日 12時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - 人間の姿にもなれるけど、、、ケモ耳と尻尾がある人間の姿。 (2020年12月24日 12時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ドリーム | 作成日時:2020年9月20日 14時

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