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肆拾話 ページ42

「中々やるなァ。でも...二度はやられないからなァ。」

僅かに残った体力で、攻撃を避け続ける。全く呼吸が出来ず、くらくらして、遂に私は倒れてしまった。弱いから、こうなった。努力が足りないから、こうなった。真っ暗な中、痛みだけが体を走る。

私は...私はただ...!









「止めて下さい!...貴方!」

「おにいちゃん!...おにいちゃん!」

和室に、顔は見えないけど、一組の夫婦らしき人達と、男の子と、少し私に似た女の子。男の子は、女の子のお兄ちゃんらしく、庇うように倒れて居た。その男の子を、なぜか殴っている男の人。

「逃げ...ろ...」

男の子が血を流しながら、そう言うのが聞こえた。

「おとうさん...きいて!...あたしはね、あたしはただ...!」

誰かが言った言葉のその先は何も聞こえなかった。









目を開いた途端、また腰に衝撃が伝わった。戦わなくてはいけないのに、体が言う事を聞かない。その間に、鬼はすぐ近くに居た。

「さて、頂くとするかァ。」

鬼は笑いながら、手を振り上げた。もう死ぬんだと、そう思う事さえも出来ない程に、余力は無かった。

「雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃」

その声と共に、鬼の頸も消えてしまった。まだ治療が終わっていないはずの善逸君の声に、意識がはっきりとしてきた。でも、ありがとうも、何も話す事は出来なかった。

「カアァ!ココ!ココォ!」

彩華が必死に鳴くのが聞こえる。足音が近付いてきて、善逸君が私を拾い上げた。その横顔は、どこか懐かしい感じがした。

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ドリーム - シルバーウルフさん» しばらく考えてみたのですが、私には少し難しそうです。折角考えて頂いて申し訳ないのですが、色々と諸事情があるため、そのお話は書けなさそうです。すみませんm(__)mこんな事言っておいてなんですが、これからも読んでいただけると幸いです。 (2021年2月11日 16時) (レス) id: c19869b9be (このIDを非表示/違反報告)
ドリーム - シルバーウルフさん» リクエストありがとうございます!もし万が一他の方のリクエストがあれば、そちらも見て考えたいと思います! (2020年12月25日 21時) (レス) id: c574f6dd30 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - 人間の姿の時は言葉を喋る。 (2020年12月24日 12時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - ネコの時の姿は白銀色の毛並みの猫だから、人間の姿の時も白銀色のケモ耳と尻尾がある。名前がないため善逸に名前を付けてもらう。(^ω^)(^o^)v(*^^*) (2020年12月24日 12時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - 人間の姿にもなれるけど、、、ケモ耳と尻尾がある人間の姿。 (2020年12月24日 12時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ドリーム | 作成日時:2020年9月20日 14時

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