参話 ページ5
まだ暗い空に、太陽が辺りを照らす。朝を告げるように鳴いた鶯の声で、私は目を開いた。師範が居ない。恐らく任務からまだ帰ってきていないのだろう。その証拠に、任務があるから帰るのが遅れるというような内容の置手紙が枕元にあった。師範が帰ってくるまで、何をしよう?そう思った時、玄関の扉を叩く音がした。この音は...
「しのぶさん!」
「おはようございます。A。」
私の好きなしのぶさんだ。しのぶさんも師範と同じく柱で、優しくて、美人。でも、朝からどうしたというのだろう?
「どうしたんですか?こんな朝早くに。」
「Aも、カナヲと一緒に4月24日の最終戦別に行ったらどうかと思うのですが...。」
しのぶさんは相変わらずの微笑みで私に聞く。
「カナヲちゃんが大丈夫なら、是非行かせて下さい!」
真剣な表情でしのぶさんを見詰める。
「分かりました。では、カナヲにも伝えておきますね。...宇随さんから承認は頂きましたか?」
突然しのぶさんに核心を突かれ、言葉に詰まる。まだ師範からは承認されていない。
「えっと...承認は.....その...」
あやふやになっていると、しのぶさんの背後から派手な音がした。
「よぉ、胡蝶。久しぶりだな。」
「お久しぶりです。」
珍しい事に師範が髪をおろしている。漂う大人の雰囲気に、鼓動が速まる。
「あ、あの、師範...最終戦別に行っても良いですか?」
どもりながらも師範に聞く。鬼殺隊に入ってお兄ちゃんを探すには、まず最終戦別に行かなくてはならない。あれ程鬼殺隊に憧れていたお兄ちゃんなら、最終戦別に行っているだろう。合格している限り、鬼殺隊に入っているはずだ。
「派手に行って来い!お前の実力なら心配ない。」
一週間前に同じ事を言った時はきっぱり断られたのに、あっさりOK。逆に驚いてしまった。
「え!?良いんですか?」
「あぁ、俺の自慢の継子だからな!」
喜びのあまり師範に抱きつく。
「しは〜ん!」
そんな様子を見て、しのぶさんは蝶屋敷へと帰っていった。やっとお兄ちゃんを探せる。この五年間の努力は、絶対に無駄にはしない。お兄ちゃんと会えるまで、鬼なんかにやられたくはない。絶対にお兄ちゃんと再会するんだ。何が何でも。
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ドリーム - シルバーウルフさん» しばらく考えてみたのですが、私には少し難しそうです。折角考えて頂いて申し訳ないのですが、色々と諸事情があるため、そのお話は書けなさそうです。すみませんm(__)mこんな事言っておいてなんですが、これからも読んでいただけると幸いです。 (2021年2月11日 16時) (レス) id: c19869b9be (このIDを非表示/違反報告)
ドリーム - シルバーウルフさん» リクエストありがとうございます!もし万が一他の方のリクエストがあれば、そちらも見て考えたいと思います! (2020年12月25日 21時) (レス) id: c574f6dd30 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - 人間の姿の時は言葉を喋る。 (2020年12月24日 12時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - ネコの時の姿は白銀色の毛並みの猫だから、人間の姿の時も白銀色のケモ耳と尻尾がある。名前がないため善逸に名前を付けてもらう。(^ω^)(^o^)v(*^^*) (2020年12月24日 12時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - 人間の姿にもなれるけど、、、ケモ耳と尻尾がある人間の姿。 (2020年12月24日 12時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドリーム | 作成日時:2020年9月20日 14時