弐拾捌話 ページ30
七連撃のうち一撃が男の子の頸に当たる。けれど、男の子の頸は鋼のように硬く、斬る事が出来ない。このままだと危ないと思い一度下がった途端、命の危険を感じた。
「血気術 殺目篭」
男の子の手が赤黒く染まり、指先から出ている糸も赤くなっていく。私が一つ瞬きをした瞬間には、もう糸が目前に迫っていた。咄嗟に何本か斬るが、硬すぎて全ては切れず、諦めるように目を閉じて迫りくる糸と死を待った。でも、何も起きない。
「俺が来るまでよく耐えた。後は任せろ。」
聞き覚えのある声に、ぱっと目を開く。そこには、師範と同じく柱の方が居た。
「水柱様!」
「っ!血気術 刻糸輪転」
男の子が血気術を使ったと同時に、水柱様が私の事を庇う。
「水の呼吸 拾壱ノ型 凪」
こちらに迫って来ていた糸が、無かったかのように一瞬で切れる。男の子がもう一度血気術を出そうとしている間に、水柱様はその頸を斬った。心臓が色々な意味でどきどきしている。
「み、水柱様!...あの、その...ありがとうございます!」
「礼はいらない。」
あ!そう言えば、炭治郎君は...
光の速さで後ろを振り向くと、眠っている禰豆子ちゃんを抱えて座り込んでいる炭治郎君が居た。その隣には、さっきまで居た男の子の服が落ちていて、炭治郎君は優しい眼差しで見つめながら手を置いていた。
「良かった...。」
私は小さく呟いた。それに水柱様の足音が重なったかと思うと、その足は男の子の服を踏みつけていた。
「鬼に情けを掛けるような事をするな。」
水柱様は冷淡な表情で炭治郎君を見下ろした。炭治郎君はそれを睨み返している。
「鬼は人間だったんだ!俺と同じ人間だったんだから!足をどけて下さい!」
「お前は...二年前の...!」
私には、二人の間に何があったのかは想像もつかなかったが、何となく別の危機が近付いてきているのは感じていた。
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ドリーム - シルバーウルフさん» しばらく考えてみたのですが、私には少し難しそうです。折角考えて頂いて申し訳ないのですが、色々と諸事情があるため、そのお話は書けなさそうです。すみませんm(__)mこんな事言っておいてなんですが、これからも読んでいただけると幸いです。 (2021年2月11日 16時) (レス) id: c19869b9be (このIDを非表示/違反報告)
ドリーム - シルバーウルフさん» リクエストありがとうございます!もし万が一他の方のリクエストがあれば、そちらも見て考えたいと思います! (2020年12月25日 21時) (レス) id: c574f6dd30 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - 人間の姿の時は言葉を喋る。 (2020年12月24日 12時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - ネコの時の姿は白銀色の毛並みの猫だから、人間の姿の時も白銀色のケモ耳と尻尾がある。名前がないため善逸に名前を付けてもらう。(^ω^)(^o^)v(*^^*) (2020年12月24日 12時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - 人間の姿にもなれるけど、、、ケモ耳と尻尾がある人間の姿。 (2020年12月24日 12時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドリーム | 作成日時:2020年9月20日 14時