luz ページ43
(本編の前話を見直してから読むことをおすすめします)
いつの間にか椅子から立ち上がっていたのか、長身ですらっとした容姿の黒崎様は、流れるようこちらに近づいてきた。
逃げる必要なんてなかったのだけれど、思わずじりじりと壁の方に後ずさる。
やがて追い詰められて、壁に私の背中がつくのと黒崎様が私の頭の横に手をついたのが同時だった。
濡れたように艶やかな瞳で頭から爪先までじっくりと見下ろされる。
……いやこの人身長高いな((
私でも女の中では結構高いほうだと思うのに……。
え、緊張感がないって？
申し訳ございません、私そういうものに疎いもので(遠い目)
なんて嘘ですごめんなさい怖いです助けてください()
顔良すぎませんこの人？？？
顔面国宝級なんですね分かりました()
っていうかそんなにじろじろ見ないでください、貴方は自分の顔を鏡で見た方が私の顔を見るより何億倍も良いと思います((
その時、黒崎様が頭の上でふっと笑った気配がした。
黒「いやぁ、びっくりしたわぁ。まさか男になってまで執事やってるなんてな〜…なぁ、Aちゃん？」
『…………え？』
投げかけられたその言葉に、一瞬思考が停止する。
思わず顔を上げると、それを待っていたと言わんばかりに黒崎様の顔が近づいてきて、小さくリップ音が響いた。
キスをされたことに気づいたのは、しばらくして黒崎様が顔を離してからだった。
『ばっ、え、なん、へっ………』
突然のことに頭が追い付かず、素っ頓狂な声を出してしまう。
情報量が重すぎて処理できない。
黒「ははっ、顔真っ赤やん。やっぱ女の子なんやなぁ〜。あ、もしかして初めてだった？」
図星を言い当てられてぴしりと固まる。
そう、もともと愛だの恋だのに疎い私は、全く色恋沙汰に興味が向かなかったのだ。
所謂初恋とやらも経験したことがなかったのに、いろいろすっ飛ばして今日初めて会った人にキス………。
しかも、こちらが女と言うことがバレているらしい。
あ、ダメだ、もう限界。
思考回路が音を立てて切れた気がした。
思わず倒れかけた私の腕を、黒崎様が掴んで支える。
そしてもう一度その端正な顔を近づけて、こう言った。
黒「このことは４兄弟とか他の人たちは知らんのやろ？誰にも言わんから安心しといてな。……代わりに、俺の事『luz』って呼んで」
『な、んで……』
黒「俺の愛称やから」
悪魔の囁きに私は頷くことしかできなかった
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kne(プロフ) - 続き楽しみです。 (2021年9月14日 0時) (
レス) id: ee34aec55d (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - リスさん» リスさんなんですね！私はこたぬですが基本的に箱推しです (2021年7月4日 12時) (レス) id: 79c7e82e9a (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - ぱるむさん» お返事が遅くなってしまい申し訳ありません汗 ありがとうございます！ 今リメイク版を作成している最中なので、もうしばらくお待ちいただけると嬉しいです (2021年7月4日 12時) (レス) id: 79c7e82e9a (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - ランデブーさん» ありがとうございます！そう言ってもらえてとても嬉しいです (2021年7月4日 12時) (レス) id: 79c7e82e9a (このIDを非表示/違反報告)
リス - 私も志麻リスです！ (2021年6月24日 22時) (レス) id: 016461b9aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よる | 作成日時：2020年7月30日 16時
