志麻センは逆鱗に触れた ページ5
無事(?)朝食も終わり、今日は他の企業との取引や仕事の予定はなにもないらしく、例の4兄弟は屋敷でゆっくりで過ごしていた。
私は特にすることもなく(何故かというと私の仕事は4兄弟のお世話だから。ついでにそらるさんも)、ティータイム用に紅茶を注いだり、そらるさんにソーサーにマカロンやお菓子を乗せてもらってから、4人のいる広間に向かう。
広間の中央にある大きなテーブルの上で、なんと4兄弟はチェスをしていた。
組み合わせは、浦島、坂セン。
4人とも各々でかなり粘っていたようだったけど、やがて、志麻様とセンラ様がほぼ同時に「チェックメイト」と言って、不敵に笑った。
おお、流石4兄弟の中でも頭脳派の二人。
性格はともあれ、頭の方は浦田様や坂田様より切れているようだ。
ブレインの二人に負けた浦坂の二人は、落胆したかのように椅子の背もたれに体重をかけて、ぐったりとしている。
それでも、あの二人とほぼ互角の勝負をできたのはすごいことだ。
頭を使って疲れた様子の主人たちを労わるように、私とそらるさんはもう一つのテーブルにソーサーを置いて、4人に声を掛けた。
『……勝敗もついたようですし、紅茶が冷める前に、ティータイムにするのはどうですか?』
そ「今日は、アップルティーでございます。マカロンも用意しておりますので、どうぞ」
そう言って椅子を引くと、敗者の浦田様と坂田様が力なく歩み寄ってきて、椅子に腰を下ろした。
フレーバーティーの香りを確認してから、カップに口をつける。
う「お、これ美味し」
さ「ええ香りやね」
ところが、志麻様とセンラ様の二人はこちらにやってこなかった。
不思議に思っていると、
し「まだ勝負はついてへんからな」
せ「最終決着と行きますか」
と、二人ともマイペースなことを口走る。
今朝のセンラ様といい、志麻様まで………。
『ですが、紅茶も冷めてしまいますので、一旦ティータイムになさってはどうです?』
し「だから、俺らは後でええって」
せ「冷めたらまた注いで来てや」
流石に頭に来た。
実は、紅茶を美味しく注ぐのには、ちゃんとコツがあるのだ。
茶葉の量も大事だし、温度だって味や風味、香りに関わってくる。
それを少しでも間違えるまいと人が一生懸命注いできたのに、感謝の言葉もなく、冷めたら注いでこい、だぁ?
……大概にしてくださいません?
Shall we play the chess?→←末っ子の目覚めは遅い
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kne(プロフ) - 続き楽しみです。 (2021年9月14日 0時) (レス) id: ee34aec55d (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - リスさん» リスさんなんですね!私はこたぬですが基本的に箱推しです (2021年7月4日 12時) (レス) id: 79c7e82e9a (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - ぱるむさん» お返事が遅くなってしまい申し訳ありません汗 ありがとうございます! 今リメイク版を作成している最中なので、もうしばらくお待ちいただけると嬉しいです (2021年7月4日 12時) (レス) id: 79c7e82e9a (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - ランデブーさん» ありがとうございます!そう言ってもらえてとても嬉しいです (2021年7月4日 12時) (レス) id: 79c7e82e9a (このIDを非表示/違反報告)
リス - 私も志麻リスです! (2021年6月24日 22時) (レス) id: 016461b9aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よる | 作成日時:2020年7月30日 16時