#０４ ページ4
時刻は夜、全員が資料課分室に集まり個々の情報を共有し合っていた。
山「八坂と晃道は、高校時代の教師と教え子だったそうです。ある日から、急激に関係が悪くなったらしい。」
井「まぁここで思いつくのは、八坂に晃道が淫行した、ってことだろうね。」
田「それもそうでしょうね。高校の卒業アルバムの写真に一人だけ、顔が黒く塗りつぶされていました。『私の人生を返せ』と書かれてあります。」
井「ターゲットは晃道ってことかぁ…」
南「でも不自然ですよ。瀧君の家の住所と忍足さんの元生家が同じなんですよ？」
井「…忍足君、なんか知ってる？忍足君？」
「…え、あ、すいません…ちょっと気分悪いので…席外しますね…」
卑屈な笑みを浮かべて資料課分室を去った。
廊下まで走って、壁に手を掛ける。
彼女は知っていた。夜に聞こえる自分以外の悲鳴を。
『やめて！やめてぇ！』
『うるせぇ！ガキが騒ぐなっ！』
「……聞きたくないっ…これ以上っ…」
息が荒くなり、力が入らなくなる。
山「おい忍足っ！しっかりしろっ！」
倒れる寸前に、山内は彼女を優しく抱きとめた。
「…ごめんなさい、もう、大丈夫、です…」
山「大丈夫じゃねぇだろ…これ飲めっ。」
無造作に差し出された缶コーヒー。
「…すいません。迷惑、かけてしまって…」
山「別に、迷惑じゃねぇよ。」
「…あの人は、」
忍足は、自分の過去を話しだした。
山内になら、話してもいい気がした。
「…教師だったらしいんです。教師を辞めてから、定職につけないままだったんです。」
「…自分のうさばらしに、私を人形のように扱った…」
「…あんなやつ、親なんて思った事がありません。」
山「……親に７年間軟禁され、進学してからはいじめ、家に帰れば虐待されていた。そして、親を認めるために合気道を始めた。…違うか？」
「…哀れでしょう。誰にも愛されたことがないなんて…」
自虐気味に彼女は笑った。
「…東堂さんは、私を見捨てなかった、恩人なんです。」
彼女の光の無い目は、遠くの月を見ていた。
山「…哀れなんかじゃねぇよ。」
そう言うと、山内は目線を忍足に合わせ、しゃがみこんだ。
山「…俺が、愛情も、感情も、全部教えてやるよ。」
山「…俺ン家、来るか？」
「…迷惑、じゃないんですか？」
山「迷惑なら最初から誘ってねぇよ。」
東「忍足さん」
奥から東堂が近づく。
東「貴女に、亡くしたものを取り戻してもらいます。いいですか？」
共同生活が始まった
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kusune(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！更新待ってます！頑張ってください！ (2020年1月21日 6時) (
レス) id: 8029859771 (このIDを非表示/違反報告)
知沙(プロフ) - 楽しく見させてもらっています。小田切さんと女子トークしてるところとか読んで見たいです。これからも頑張ってください (2018年8月22日 21時) (レス) id: 0f537105a8 (このIDを非表示/違反報告)
知沙(プロフ) - 楽しく見させてもらっています。小田切さんと女子トークしてるところとか読んで見たいです。これからも頑張ってくださいp(^-^)q (2018年8月22日 21時) (レス) id: 0f537105a8 (このIDを非表示/違反報告)
莉南 - いつも楽しく見させてもらっています！ネタとして提案なんですけど田村さんの死で悲しみに暮れている主人公を山内くんが助ける(慰める)シーンとかどうでしょうか？ これからも頑張ってください！ (2018年8月22日 2時) (レス) id: f108a71a78 (このIDを非表示/違反報告)
衿豪(プロフ) - レイさん» コメントありがとうございます！岡崎くんとの絡みですね！時間は少々掛かりますが、頑張って書かせて頂きたいと思います！ (2018年8月15日 20時) (レス) id: c5415b57d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衿豪 | 作成日時：2018年7月27日 17時
