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小「ほんっと、なんなのあの女!ほんとに腹立つっ!」
山「何があったんだよ…」
どうも、あの親が虐待を認めず、忍足と会わせるまで帰らないそうだ。
「…山内さん…」
背中から忍足が恐る恐る顔を出す。
背中から降り、井沢にボイスレコーダーを差し出した。
井「…これって。」
「…聞けば、分かるかと…」
井沢は、ボイスレコーダーの再生ボタンを押した。
― 『アンタなんかっ…!この無能っ!役立たずっ!』
『…ごめんなさいっ…』 ―
数十秒の録音が何分にも感じられた。
井「とっておきの一手が、まさか忍足君が持ってたなんてねぇ…」
「あと…このトーク画面で何とかなるはずなんですけど…」
忍足が見せた携帯内アプリのトーク画面。
其処には、忍足に対する誹謗中傷が数え切れないほどあった。
田「…これはもう、虐待として処理せざるをえないかと。」
井「そうだね、女を追い詰めることは出来そうだね。」
小「だけど、忍足さんに会わない限りあの女は、ここに居続ける。」
山「行かせたら、忍足は危険人物として弾き出される…」
皆が黙り込んだ。すると、
南『何だったら、母親を折れる寸前まで追い込んでから会せたらいいんじゃないですか?』
南の発想が採用され、動くことになった。
山内、井沢、小田切が母親を追い込み、
田村と忍足は、それが終わるまで部屋の外で待機となった。
「田村さん、家族って、なんだと思いますか?」
田「家族、ですか…?」
単純に思ったことを、忍足は田村に聞いた。
田「…自分が、帰りたいと思ったり、自分の支えになってくれる人達…じゃないでしょうか。」
「私の家族は、何処にいるんでしょうか…」
田「…忍足さんは、資料課と自分が育ってきた家…どちらに帰りたいと思いますか?」
「…資料課です。」
田「…それが答えなら、資料課はあなたにとって、家族です。」
なんか、すいません。と田村は言った。
「…なんか、分かった気がします。田村さん、ありがとうございます。」
忍足がそういうと、いえいえ、と田村は返した。
それと同時に、部屋の扉が開いた。
井「忍足君。君の母親は、虐待を認めたよ。感情の起伏が激しいけど…崩す所までは崩したよ。」
「…分かりました。」
井「…何するか分からないから、山内君か俺の近くに居て。」
「はい。」
あと一歩、あと一歩で
自分を苦しめた檻は壊される。
さぁ、
走れ、走れ、迷わず前へ―
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kusune(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!更新待ってます!頑張ってください! (2020年1月21日 6時) (レス) id: 8029859771 (このIDを非表示/違反報告)
知沙(プロフ) - 楽しく見させてもらっています。小田切さんと女子トークしてるところとか読んで見たいです。これからも頑張ってください (2018年8月22日 21時) (レス) id: 0f537105a8 (このIDを非表示/違反報告)
知沙(プロフ) - 楽しく見させてもらっています。小田切さんと女子トークしてるところとか読んで見たいです。これからも頑張ってくださいp(^-^)q (2018年8月22日 21時) (レス) id: 0f537105a8 (このIDを非表示/違反報告)
莉南 - いつも楽しく見させてもらっています!ネタとして提案なんですけど田村さんの死で悲しみに暮れている主人公を山内くんが助ける(慰める)シーンとかどうでしょうか? これからも頑張ってください! (2018年8月22日 2時) (レス) id: f108a71a78 (このIDを非表示/違反報告)
衿豪(プロフ) - レイさん» コメントありがとうございます!岡崎くんとの絡みですね!時間は少々掛かりますが、頑張って書かせて頂きたいと思います! (2018年8月15日 20時) (レス) id: c5415b57d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:衿豪 | 作成日時:2018年7月27日 17時