#１３ ページ14
数十年前―
元教師の父と、作家の母の間に私は生まれた。
しかし、母親は私が生まれて数年後にこの世を去った。
浮気性の父は、母が他界しても、何食わぬ顔で女を家に上げていた。
毎晩のように聞こえる甘ったるい嬌声。
最初は抵抗があったのに、いつの間にか抵抗なんてなくなっていた。
そして、父はキャバ嬢と再婚。
多分、私が三歳頃だったと思う。
日々の暴力がエスカレートしていったのは。
『母親に似た、アンタの目が気に食わないのよっ！』
『黙れっ！喋るなっ！』
それは、今でも鮮明に覚えている。
女は、私にカッターの刃先を向け、斬りかかった。
自分の目の前に、紅い鮮血が飛び散ったからだ。
幸い、眼球には傷は付かなかったが、頬から首元にかけて傷が出来た。
今でもその傷は残っている。
まるで、『生まれてきた事が罪』と戒めるかのように消えてはくれない。
子供の頃、多くの女の子が夢見る『お嫁さん』の夢は、呆気なく終わった。
誰もが、その傷を気味悪がって近づきもしなかった。
『なんでこんな点数ばかりとるんだっ！』
『遊ぼうと思う余裕があるなら勉強しろっ！』
小学校に入ってからは、父母両方の暴力が待っていた。
幾らいい点数を取ろうとも、いくら成績が良かろうとも、褒めてくれやしなかった。
どうやったら褒めてくれるのか、ずっと考えた。
けど、何も思い浮かばなかった。
中学、高校、誰とも関係を持たず、一人で過ごしてきた。
家を飛び出して、東堂さんに拾われた。
そこから、資料課の皆に出会って、未然犯罪潜入捜査班に加わった。
井沢さん、小田切さん、南さん、田村さん、東堂さん、そして
山内さん―
まるで、私の新しい家族のような仕事場だった。
誰もが優しかった。
何も怒りはしなかった。
暖かかった。
だからこそ、この傷は見せる訳にいかない。
母「ほらほら！なんか反論しなさいよ！えぇ！？」
ピンヒールで、私の頭を踏みつけた。
山「おいっ！その足除けろっ！」
山内が後ろから拘束しようとする。
井「山内君！忍足君！」
其処に井沢達が駆けつけた。
母「良かったわねぇ、Aちゃん。アンタの！無様な姿を！見られて！」
女は、高笑いをする。
井沢達の目は、怒りに満ちていた。
『…無様なのは貴女でしょ。こんな事までして、人を辱めて楽しいの？馬鹿じゃない。』
母「はっ…？何言って…」
『そんな事までして、人を馬鹿にして楽しい？』
さぁ、反撃の狼煙を上げろ―
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kusune(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！更新待ってます！頑張ってください！ (2020年1月21日 6時) (
レス) id: 8029859771 (このIDを非表示/違反報告)
知沙(プロフ) - 楽しく見させてもらっています。小田切さんと女子トークしてるところとか読んで見たいです。これからも頑張ってください (2018年8月22日 21時) (レス) id: 0f537105a8 (このIDを非表示/違反報告)
知沙(プロフ) - 楽しく見させてもらっています。小田切さんと女子トークしてるところとか読んで見たいです。これからも頑張ってくださいp(^-^)q (2018年8月22日 21時) (レス) id: 0f537105a8 (このIDを非表示/違反報告)
莉南 - いつも楽しく見させてもらっています！ネタとして提案なんですけど田村さんの死で悲しみに暮れている主人公を山内くんが助ける(慰める)シーンとかどうでしょうか？ これからも頑張ってください！ (2018年8月22日 2時) (レス) id: f108a71a78 (このIDを非表示/違反報告)
衿豪(プロフ) - レイさん» コメントありがとうございます！岡崎くんとの絡みですね！時間は少々掛かりますが、頑張って書かせて頂きたいと思います！ (2018年8月15日 20時) (レス) id: c5415b57d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衿豪 | 作成日時：2018年7月27日 17時
