#１２ ページ13
「…母親、ですか。」
東「えぇ、面談を望んでいるようですが、どうしますか？」
事の発端は数分前、
山内と忍足が資料課分室に戻った時のことだった。
どうやら、忍足の母を名乗る人が来たらしい。
井「…なんで今更、来たんだろうね。」
そういう井沢の顔は険しかった。
「…このメンバーの誰かを同行させてくれるなら、その面談に応じます。」
東「わかりました。交渉してみます。準備ができ次第、下に降りてきてください。」
井「…さて、誰が行く？」
山「…俺が同伴します。行くぞ、忍足。」
「あ、はい…」
井「あ、山内君。一応、その人注意しておいて。あと、電話繋げてね。」
山「分かりました。」
そう言い、山内は忍足の手を引いて、階段を下りた。
東「…承諾は得ましたが、何があってもおかしくありません。注意してください。」
山「分かりました。」
「…はい。」
そして扉は開いた。
中には、机と対面に置かれた椅子二脚。
その椅子には、忍足の母と思われる人が座っていた。
「…誰ですか。」
忍足が発したその声は、八坂の時の声と酷く似ていた。
母「誰って…貴女の母親よ、覚えてない？」
女は柔らかい笑みを溢すが、忍足は無表情のままだった。
「…そんな馬鹿げた演技で騙せると思うの。馬鹿じゃない。」
忍足がそう言えば、女の態度は豹変した。
母「その眼が気に食わないのよ。人を見下すような眼をして！」
手を忍足の首元に伸ばそうとすると、忍足はその手を払った。
「…触らないでっ！」
席を立ち、後ろに下がると、女は机を蹴り飛ばした。
母「この役立たずっ！アンタのせいでっ…私の人生を返せっ！」
女は忍足に馬乗りになり、カッターを取り出した。
山「忍足っ！」
山内は、女から忍足を解放し、優しく抱き留めた。
山「忍足、大丈夫か？」
静かに頷くが、忍足の目は酷く怯えていた。
母「邪魔しないでよっ！」
山「同僚として、それは見過ごせません。」
女は、山内の顔をジッと見つめた後、何事もなかったかのように話始めた。
母「よく見たら貴方イケメンじゃないの！良かったら今夜、どう？」
まるで、水商売の誘いかただ。
上目使いで愛想よく振りまいておけば、男が落ちると思っているのだろうか。
山「お気持ちは嬉しいですが、お断りします。」
母「なんでよぉ！幾ら積んだら抱いてくれるの？」
山「…僕には、一生を誓いたい人がいるので。」
恥ずかしげもなく、きっぱり断った。
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kusune(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！更新待ってます！頑張ってください！ (2020年1月21日 6時) (
レス) id: 8029859771 (このIDを非表示/違反報告)
知沙(プロフ) - 楽しく見させてもらっています。小田切さんと女子トークしてるところとか読んで見たいです。これからも頑張ってください (2018年8月22日 21時) (レス) id: 0f537105a8 (このIDを非表示/違反報告)
知沙(プロフ) - 楽しく見させてもらっています。小田切さんと女子トークしてるところとか読んで見たいです。これからも頑張ってくださいp(^-^)q (2018年8月22日 21時) (レス) id: 0f537105a8 (このIDを非表示/違反報告)
莉南 - いつも楽しく見させてもらっています！ネタとして提案なんですけど田村さんの死で悲しみに暮れている主人公を山内くんが助ける(慰める)シーンとかどうでしょうか？ これからも頑張ってください！ (2018年8月22日 2時) (レス) id: f108a71a78 (このIDを非表示/違反報告)
衿豪(プロフ) - レイさん» コメントありがとうございます！岡崎くんとの絡みですね！時間は少々掛かりますが、頑張って書かせて頂きたいと思います！ (2018年8月15日 20時) (レス) id: c5415b57d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衿豪 | 作成日時：2018年7月27日 17時
