【HiGH&LOW】鬼神【鬼邪高校】 (ページ17)

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episode.16 ページ17

side Todoroki

浅い呼吸を繰り返す此奴を抱きかかえ、校舎にある保健室に向かう。
俺の胸元に縋るように掴む手は爪が食い込むほどに痛かった。

扉が開いていればそこは「未使用」のルール。
其処に俺達は入り、此奴をベットへ寝かせた。

「…で、此奴を全日に組み込むなんぞどういう了見だ。」
芝「ハァ？」

K「あれ、村山から聞いてないの？」
「大人の事情だか、なんだか知らねぇが聞いてねぇ。」
K「話せば長くなるわ、いいの？」
「別に構わねぇよ。」

俺は別のベットに腰かけ、耳を傾けた。

K「単刀直入に言うわ。その子は狙われてるの。」
辻「…誰にだよ」
K「DOUBTとそれを従えてる海外マフィアよ。」
「…狙われる理由は」
K「DOUBTに所属している一人がその子にやたら執着してるのよ。海外マフィアにとってその子は邪魔者な訳、だから狙われているんでしょうね。」
芝「で？なんでこいつは狙われてんだよ。」

KIZZYは大きく溜息をついた。

K「それを言う前に一つ約束しなさい。」
話していた声色が一気に冷たくなったのを感じた。

K「絶対に、何があっても、この子から離れないって事を。」
…めんどくさい事に巻き込まれた
前までの俺ならそう思っていたはずだ、

「…分かった」
芝「おう」
辻「…あぁ」

二人も二つ返事で了承した。

K「その子の本当の親が結構名の知れたマフィアなのよ。」
「俺達でも知ってるか？それは」
K「九龍よ、それぐらい知ってるでしょ。」
芝「はぁ！？」

K「余計面倒な事に、総裁の娘よ。狙われるのも時間の問題よ。」
辻「じゃあなんでこいつの苗字は氷髙なんだよ？」
K「苗字？あぁ、親代わりの人がその苗字だからでしょうね。」

隣のベットで眠るアイツは
幼くも、儚く見えた。

K「で、ここからが問題よ。」
話しの本題がすり替わる。

K「ここ数年でいいわ、このメンバーで彼女いた人いる？」

何を言い出すんだこのオカマは。

俺はそういう女絡みは全くと言っていいほどない。
「俺は無い。」

芝「俺最後にデキたの中学。辻なら轟が来る前に別れたけどいたぞ。」
辻「おいてめぇバラしてんじゃねぇ」

K「その子って、こんな顔じゃなかった？」
そう言って辻に写真を見せる。
覗き見ると、目元がきりっとした女だった。

辻「……なんで手前が知ってんだ。」
K「そいつが、その子を殺そうとしてるからよ」

その一言が、俺たちの心をどん底へ叩きつけた。