【HiGH&LOW】鬼神【鬼邪高校】 (ページ16)

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episode.15 ページ16

side TODOROKI

村「ね～関ちゃん、Aちゃんって不思議だよねぇ」
関「村山さんも、そう思います？」
廊下からそんな話が聞こえてきた。
村「SWORD全体を動かせるAちゃんって、何者なんだろうねぇ」
関「もしかして…総理大臣の娘、とかだったりするんじゃ…？」
村「嘘でしょチョー怖い…」

『おい、どういうことだよ村山』
村「村山さん、ね轟ちゃん。丁度良かった。伝言です。」
そう言って村山は畏まって咳ばらいをした。
俺たちは、その先を黙って聞こうとする。

村「定時の方にAちゃんいるでしょ？」
『氷髙か。』
村「そうそう。で、昨日色々SWORDで話し合った結果、Aちゃんを一時的に全日の生徒にすることになりました～。」
『…なんでそうなったんだよ。』
村「まぁ、細かい事は大人の都合で言えないんだけどさ、とある事情で夜に出歩けないの。」
村「あ、まだ正門で話してると思うから迎えに行ってあげてね～」

じゃ、と片手をあげ定時の方へ戻って行った。
『…めんどくせぇ』
芝「どーすんだよ、轟」
『村山に言われたし、仕方ねぇ…行くか。』
俺は村山の後を追うように教室を出た。

K「…ってアンタ！聞いてる…！？」
もう少しで正門の所で、そんな声が聞こえた。
口調は女だが、声は完全に男。
「…っせ…きいてる…っ」
前見た時よりも何かが違うアイツ。
前かがみで、手で胸元を押え、この気温では可笑しい汗の量、呼吸の浅さ
『…アイツ、まさか……』
辻「おい轟！！」
芝「走るぞ！！」

後ろの二人を気にせずに俺は走り出した。

正門にたどり着いた時、アイツは崩れ落ちた。
『……何してんだ。』
なにか危害が加えられるかもしれない、そう思い俺は声を掛けた。
K「あら、アンタ全日の頭？話があるんだけど」
辻「おいA！！大丈夫かよ！？」
芝「しっかりしろ！！」
…話がしたいのは山々だが、アイツの安全と後ろから走ってくる馬鹿二人をどうにかしなければならない。
『…話なら後でいいか、目の前のこいつだけ何とかさせろ』
K「勿論、その後でいいわ。」
承諾は得た。
『おい辻、どっかから毛布テキトーに取ってこい。』
辻「…？おう。」
辻は校舎内に戻っていった。

『…悪いな』
聞こえていない事を前提に断りを入れる。

ゆっくりとコイツを抱きしめるような体制になる。
『芝、ドロップか飴持ってないか。』
芝「飴ならあるぞ」
『貸せ、後で使う』
辻「轟、毛布」
『おう』

俺はゆっくり立ち上がり場所を変えた