【今日から俺は！！】ツッパリの日常。 (ページ13)

今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:9,103 hit

暴力教師VSツッパリー７ページ13

side Hamada

『………ぜってー、嫌だっ…！死んでも言わねぇっ！』

智司や開久の連中に過去と家庭状況を知られちゃ、たまったもんじゃない。

死ぬほど走って着いたのは屋上。

吹いてくる風が心地良かった。

『…なんで、変わっちまったんだろうな。』

俺の変わった理由は割と単純だ。

俺の母親は、離婚してから一気に変わってしまった。

毎晩家に男を連れ込んで、抱かれて…その繰り返し。

挙句の果てには、俺を邪魔者にする。

『……渡る世間は鬼ばかり、って奴か。』

今頃、Aの奴は智司に喋ってるんだろうな。

ありのまま、全部。

『……泣きてぇな。』

屋上から、景色を見渡す。

すると、屋上のドアが開く音がした。

「…（人１）」

息を切らした智司がゆっくり向かってきた。

『…智司か、聞いたんだろ。Aから。』

「…あぁ。」

今は顔を見れない。見たら絶対泣いちまう。

自分の視点を元に戻す。

すると、

背中に大きな温もりと、微かに智司の匂いがした。

「…大佐和から、全部聞いた。」

『…うん。』

「…ずっと、黙って隠して来たんだな。」

『……うん。』

すると智司は、抱きしめる力をグッ、と強めた。

「…気づかなくて、悪かった。」

「…今の俺は信用出来ねぇかもしれねぇ。」

ぽつり、と智司は言葉を発していく。

智司の事は十分信用してる。ただ、お前に嫌われるのが心底怖ぇんだ。

「…俺はお前を絶対に傷付けねぇ。」

「絶対に支えてやる。どんな時も。」

「だから……」

　 ―俺の所に、来い。―

『……ほんっと、馬鹿だろ。お前。』

涙を見せたくないから、俺はそのまま

『…んな事言わなくたって、俺はお前の隣がいいんだ。』

多分、声震えてんだろうなぁ。

「…（人１）、こっち向け。」

『…嫌だ、泣いてるから。』

「んな事気にしねぇ。」

無理矢理智司の方を向かされる。

そしてまた、抱きしめられる。

「…泣くなら泣け、今は何も言わねぇ。」

俺は、智司の腕の中で泣いた。

ありがとな、智司。