【今日から俺は！！】ツッパリの日常。 (ページ12)

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暴力教師VSツッパリー６ページ12

私たちは中庭から離れ、校舎の保健室に入った。

『…心配だなぁ…』

男同士とはいえ、大人と子供の差だ。

「あ、私見てこようか？」

『でも理子が…』

「大丈夫よ、遠くで見るだけだから。」

『…うん、わかった。』

「あ、終わってたら三ちゃん達、連れてくるね。」

そう言って理子は保健室を後にした。

「…ってぇ、あの野郎…」

『手当するから、動かないで。傷開く。』

「…おう。」

素早く手当を終わらせる。

『…ねぇ、（人１）。』

「…なんだ。」

『そろそろさ、三橋に、話そうかなって…』

「…いいんじゃねぇの、Aがそうしてぇなら。」

『（人１）もさ、片桐さんに言うべ…』

「俺がいつ何を言おうが俺の勝手だ。勝手に話進めんな。」

返ってきたのは冷たく、キツイ言葉だった。

『私だって言いたくないよっ！でも、これ以上隠すことなんてないんだよっ！』

「お前はお前、俺は俺だろ。一々お前の思惑通り、進まねぇよっ！」

拳を机にバンッ、と叩きつける。

『私たちはあの日から止まったままなんだよっ！そろそろ進もうよっ！』

私は涙を流しながら、（人１）に訴えた。

「俺はっ…！過去も今もっ！全部消せねぇんだよっ！」

知ってる、知ってるよ。

（人１）の過去も、（人１）のお母さんが変わってしまったことも。

『だからこそっ！全部話そうよっ！じゃないと…』

「なーんの言い争いしてんの？お二人さん。」

後ろから、抜けた声が聞こえる。

『…三橋…』

「そんなに騒いだら傷口が開くだろ。」

「…智司…」

お互いが一気に言葉を発しなくなった。

「「…なぁ、（人１）/A。…お前は何を隠してんだ…？」」

三橋と片桐さんが声を揃えて、そう言った。

『…ばれちゃった？ごめんね、隠してて。』

「…教えてくれよ。何があったのか。」

三橋は優しくそう言った。

「………ぜってー、嫌だっ…！死んでも言わねぇっ！」

でも、（人１）には逆効果の様で、走ってどこかに行ってしまった。

「おい！待てっ！」

『…片桐さん、（人１）の事も、全部教えるので、待っててくれませんか？』

「……あぁ、教えてくれ。」

皆が、椅子に腰掛け、全てを話した。

終わるころには、皆の表情が暗かった。

『…なんか、ごめんね。暗くしちゃって。』

「A」

三橋に名前を呼ばれ、顔を上げれば

優しく抱き留められ、頭を撫でられた。

「…ありがとな、話してくれて。辛い思いさせて、悪かった。」