狂犬と私 (ページ28)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:54,422 hit

28話ページ28

Aside

その日の夜は、久しぶりに前の高校の夢を見た。

そこには何が楽しいのか、皆に囲まれてヘラヘラと笑う大嫌いな女がいた。

周りの人から見れば、その女は楽しそうで、そしてみんなから愛されている。

周りから、見れば。

そこから先は覚えていない。

朝、学校に行くと理子ちゃんが教室にいない。
三橋くんと伊藤くんのクラスにも行ったけど、いない。なんだよみんなして仲間外れかよ泣くぞ。

『…あ、佐川君。理子ちゃん達知らない？』

佐川「あー、屋上じゃないっすかね？」

…よし、行くか。
なんかあの夢見たら少し気まずいな、とか思ったりもするけど頑張らなきゃ。

気合を入れて、笑顔で屋上の扉を開ける。

『おはよー、みんな！ってなにやってんのあの二人』

三橋くんと理子ちゃんがイチャイチャしてるよ、なんか気合い入れるだけ無駄だったやん。気合い返せや

伊藤「あ、おはよ。なんか馬鹿なことやってんのよ、放っといて」

理子「おはようA！」

三橋「よぉAちゃん。そーいえば、お前も安心しろよ。この俺様が開久の奴らをしめてやった(キリッ」

いやありえないだろ。

有り得たとしても

『どーせ伊藤君たちのおかげでしょ…』

三橋「ひどいっ」

伊藤「いやー、今回は三橋も活躍してたぜ。あの相良やっつけたの三橋だし」

理子「そうね、開久には当分警察がつくって。だから、三ちゃんの言う通り安心して大丈夫よ」

…相良？やっつけた？

『おまえらかーーーーい』

だからあの人倒れてたのか、やってくれたなおい。

だから三橋と伊藤がとか言ってたのか。

三橋「ん？どーかしたのか、Aちゃん」

『いやーなんでもねっす』

伊藤「にしてもあの相良ってやつ、三橋並みに卑怯だよなー。Aちゃんの顔殴るのも納得だわ」

三橋「俺と一緒にしないでくださぁーい。あんな宇宙人」

理子「そうよ、まだ三ちゃんの方がマシだわ」

三橋「マシってなにマシって！？」

…相良さんよ、酷い言われ用だぞ。

まぁ皆の通りだから否定する気もないけど。

…昨日助けたことは、言わないでおこ。