狂犬と私 (ページ26)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:54,414 hit

26話ページ26

Aside

『あの』

相良「おい」

あ、被った…。嫌そうな顔してるよこのひと。

さっきから何か考え事してたもんな…。

どうせ私は三橋くんと伊藤くんのこと聞たかっただけだし。

あとでも聞けるよね

『ど、どうぞお先に…」

相良「あ"？別にお前からでいい」

『いや大した事じゃないので！！』

ここで譲らなきゃ殺されるだろ私が。
私の気遣いを快く受け入れろ。

相良「じゃーいいけど。おまえ、親は？」

…それ、聞くのか。

まぁ気になりよねそりゃ、こんな時間だもんね？

『絶賛一人暮らし中ってとこですかね？』

相良「1人で越してきたのか」

『ありゃ？なんで知ってるんですか、引っ越してきたこと』

言ったっけか？もしや超能力者？

相良「そこにあんだろ、前の高校で貰ったやつかァ？Aちゃん、転校しても友達だよ。ってなアホらしい。愛されてたんですねぇ？」

そう言って、相良さんはケラケラ笑っている。

…閉まっとくのも悪いから、飾っといたんだっけか。

『…愛されてなんかないですよ。アホらしい』

あ、やべぇ口が滑った。てへ

相良さんは、何か言いたそうにしていたが、やめたらしい。

『聞かないんですね』

相良「はぁ？何を聞くんだよ、キョーミねぇ。」

『そー言えば、親と言えば。相良さんも、帰らなくていいんですか？そんな怪我もして、心配しますよ』

相良「いーんだよ俺は」

『あの大きい人は？友達ですよね』

相良「はァ？…あぁ智司か。あいつはそんなんじゃねぇ。生憎お前のようにダチもいないんでねぇ。

だからいーんだよ、俺は。誰も心配しねぇよ」

そう言って、相良さんはケラケラ笑い出した。
でも、何故だろう。そう言う相良さんはどこかかなしそうで。

『私は！！』

相良「あ？」

思わず机を叩いてしまった。

手が痛いよぉ…。折れちゃうよぉ…じゃなくて。

相良さん、驚いてるな。

『私は、心配しますよ。相良さんが、怪我してたら！友達、だから。』

何言ってんだ私。

『いや、友達とまでは行かなくても知り合いですし！？心配するって、そういう！』

いや、だから何言ってんだって。